*Thank you*

「泉、ホットミルクでいいか?」

「ん、すげー熱いのな」


コタツに肩まで入って、
漫画に目を向けたまま、
泉は浜田の言葉に返事をする。

先週、急にやってきた寒さに耐え切れず、
押し入れの中で埃をかぶっていたコタツを出した。

そのことを泉に伝えたところ、
彼は毎日のように浜田の部屋に入り浸っている。
まるで自分の部屋のように。

「ほいよ」

リクエストどおり少し熱めに入れたホットミルクをコタツにおいてやると、
泉はノソノソと起き上がり、両手でマグカップを包むように持って、
チビチビ、時々冷ますために息を吹き掛けながらソレを口に運ぶ。


「こら、なんかいうことあるんじゃねぇの?」


コーヒーを片手に、浜田は苦笑する。
親しき中にも礼儀あり。

「……イタダキマス?」


少し不満そうに、マグカップの縁に口をつけて泉は浜田を見上げた。


「疑問系かよ」


苦笑が深くなる。


「ったく」

「なっ……向こう座れよ!」

小さくため息を吐いて、
浜田は泉を後ろから抱き締める様にして腰を下ろす。

「ハイハイ。早く飲まないと冷めるぜ」


泉の抗議の声を無視して、コーヒーを持っていない手を泉の腰に回して、更に抱き寄せる。


「邪魔、狭い、キツい、ウザイ」

「……それは酷すぎねぇ?」

口では憎まれ口を叩きながらも、
泉はその体重を後ろにかけて、浜田に背中を預ける。
その行動がわかって、浜田は泉に分からないように笑った。



「…浜田」
「ン?」


「サンキュ……」


不意討ちだった。


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