☆いつもの朝いつもの庭

朝起きて

室内の雨戸をガラガラっと開ける。

まず

キンと冷える朝のクリアな空気に襲われる


寝起きのほこほこした暖かい身体が一瞬に冷える程の

そのクリアな寒さ、と、いうよりも

あまりの「冷たさ」に身震いし目をつぶる

が、しかし

冷たさの次に襲われる圧倒的な光により

眼を閉じていてさえも全身に感じずにはいられない程のまばゆい太陽が全てを飲み込むかの様に世界は冷たさと光で未知溢れていた

今日も朝がやってきた




寒さで上がる肩や腕を組みながら

庭のこれまた冷たくなったプラスチックサンダルに素足を通す

ヒヤヒヤだ

ぶるりぷるり、

吐く息白く

歩く足は心なしか内股である

庭に立て掛けてある洗濯物干し竿に洗濯物を吊してやったらば

干した衣類からフワフワと浮かぶ白い蒸気らしきもの

これを初めて見た時は燃えているのだろうかと驚いて勘違いしてしまったが

今では慣れた景色の一つに過ぎなかった。

朝の寒さと太陽の光の前では洗い立ての衣の冷たさなんて目ではなかったのである

しゅんしゅんくゆりくゆり流れて解凍されてゆく様は洗濯物だけに限らず

辺りを見渡せば

庭の草木や雑木林からも見てとれた

凍てつく夜に固まったモノ全てが陽光で溶けて顔を出しているのだ

朝一の太陽は生きるものを徐々に暖めていく

ヒトもまた同じ

光は苦手だけれども拒めない光の魔力と暖かさに惹かれ

草花の光合成の如く

青く広がる空をあおぐのであった。