★いつかの記憶

暖かい

光を感じた

・・
ソレを一番に見つけた瞬間

胸が高鳴った

手に触れてみたら

とても落ち着いた

やがて

一緒に過ごす時間を共有する度に

・・
ソレは大切なものに変わった

いつも一緒にいたから

これからもずっと一緒なんだ

そんな風に

一緒にいる事が

当たり前のように感じたのは

間違いだった

魅力的な光は

隠す事ができない

光が大きくなる度に

僕以外の子がソレを見つけて触れる

僕が最初に見つけたのに

僕以外の子には触れてほしくなかったのに

僕だけを見ていてほしかったのに


・・
ソレは僕のものだ



叫んだ

だけど

勘違いしていた

独り占め

そんなつもりはなかったのだけれど

いつのまにか

閉じ込めていた

暖かさに欲張っていたら

いつのまにか光は消えて

冷たくなっていた

サヨナラとゴメンネが言えずに

おわかれをした






*******

小学生の時のお話

物静かな可愛い転入生に心奪われ

真っ先に声をかけたあの頃

当時のアカはめちゃくちゃ寂しがり屋だった

母国と日本を行き来しながらの生活で休みがちだった学校には気のおける友人がいなかったんだ

そこへある日クラスに転入生が現れた

めちゃくちゃ可愛いかった

そりゃもうべっぴんさん!

で、運命的な隣の席ktkrで舞い上がったアカは早速自己紹介して友好関係を深めようとしたんだ

「君可愛いネ!好き!友達になりたいなッ」と差し伸べた手。

正直その瞬間までは人にこんなアタックをした事がなかったんだが

その子を見た瞬間にビビビッとナニかを感じて勇気を出して声をかけたんだ

とりあえず

((この子に一番に声をかけたい!))と純粋に思った行動だった。

今思い返して考えてみたらあの時の差し出した自分の手が緊張で汗だくだったよ

そんでもって

転入生がふわっと優しく笑って握手してくれた瞬間。

“好き”の気持ちが“大好き”になって握り返した小さな手をぶんぶん振りまくり

お互いニコニコしながら明日から始まるこれからの事が楽しみで胸が心踊ったという


それからベッタリ(主にアカからアタックしまくっていた)でなんだかんだ仲よくなって常に二人行動するうちにそれが当たり前☆

―――と、幸せを過ごしていたある日。

転入生にベッタリする子が一人、二人と増えた。

放課後は二人で帰るという今までの日々がガラガラと崩れさる

寂しさとわけのわからない腹のムカムカ

“嫉妬”という感情を覚えた。

そして当時のアカは独占欲が高かった。

と言っておこうか

物足りなさを感じつつ府に落ちないまま二人で一緒にいる事ができなくなった数日が続いたとある昼休み

我慢ができずに暴走という名の爆発をした

何かの拍子でムカッとした瞬間「○○のはおまえのじゃない!」と相手を突き飛ばしてしまったんだ。


突き飛ばされた相手は転入生にラブラブ光線をめちゃくちゃ出してた奴。(ちなみにクラスのリーダー的存在だった)

気にくわない

しかし

(…あ。)

と思ったものの時既に遅し

昼休みクラスの真ん中で突然始まった騒動

突き飛ばされた相手が

「おまえのものでもないだろ!」と言った瞬間周辺で見ていた子達からも冷ややかな目で“そーだ!そーだ!”みたいな雰囲気に…ぇ(団結怖)

今なら笑える出来事が当時の純粋な中二病ならぬ小五病な僕は


怒りと悲しみと羞恥のトリプルパンチに気が動転して相手に殴りかかったんよ

そして出来上がった悪者\(^O^)/
まぁ

イジメの対象になるよね(笑)

“やられたらやり返す”という父直伝の家訓で倍返ししましたが←

そんなこんなでいつのまにか

教師からはいわゆる問題児の出来上がり

あんなに一緒だった転入生とは騒動以来

気まずくて話かけられなくなった(というか邪魔をされr)

声をかけたい気持ち反面

嫌われたかもしれないという気持ちが

勇気をなくしてしまっていたんだ

そうこうしてるうちに

一人でいる事に慣れ

のらりくらりと

いつのまにか卒業式を迎えた。

そして前夜に父から突然聞かされた

転校。

そう

引っ越しをするはめになったんだ

衝撃のあまり頭に整理がつかないまま

ただ呆然と頷くしかなかった。

そして卒業式終了後
サヨナラもゴメンネも言わずに

下駄箱ですれ違ったほんの一瞬

あの子と目が合ったほんの一瞬

目が合った嬉しさに笑顔で手を振った

たったそれだけ

それだけの事だったけれど

最後に見たあの子のあの時の同じような困った後の

ふわりと笑う可愛い笑顔に

なにもかも忘れてしまったんだ

こうして

卒業を得て

僕は街を出た

サヨナラもゴメンネも言えずじまい

けれど

心に刺さっていた刺みたいな痛みは

もう消えていた


懐かしさと切なさが詰まった

あの日あの時

いつかの記憶



終,