忘れな草は漢字で書くと「勿忘草」。
これは中国語の表記です。



直訳すると“忘れないでの草”。
和名の「忘れな草」はとても美しい訳ですね。



もともと最初にこの花名をつけたのは、
ドイツでした。



花名の由来は、
ドイツに伝わる中世の悲しい恋人たちの話です。



“若き騎士ルドルフと恋人ベルタが、
ドナウ川のほとりを散策していると、
岸辺に咲く美しい青い花を見つけます。



ルドルフはベルタのために
その花を摘もうとして岸に降りると、
思いがけず早い川の流れに飲まれてしまいます。



鎧の重さに耐えかねたルドルフは、
最後の力で花を岸に放り投げ、ベルタに向かって


「Vergiss mein nicht!(私を忘れないで)」


と叫び、
そのまま川底に沈んで死んでしまいます。



ベルタは亡き人の思い出を生涯大事に、
この花を髪に差し続けて過ごしました。



人々はこの花を「vergissmeinnicht」と呼び、
ふたりの物語を語り継ぎました。”