泥ニ咲ク花

インド、中国、オーストラリア、日本などの
温帯〜熱帯域の湿地に広く分布する
水生植物

約1億4000万年前から
地球上に存在していたとされている、

蓮(ハス)

学名 Nelumbo nucifera
科,属名 ハス科 ハス属
英名 Lotus
別名 水芙蓉(スイフヨウ)
不語仙(フゴセン)
池見草(イケミグサ)
水の花(ミズノハナ)
蓮華(レンゲ)
ハチス


水の底に塊茎(カイケイ)という大きな根っこをつくり、そこから茎や葉っぱを伸ばして生長します。

草丈は50〜100cmほどで、
茎の先に花を咲かせます。

根は「蓮根」、
花を支える花托は「ハチス」と呼ばれ、
葉っぱや芽など植物全体が食用や薬用、
様々な方面で利用されてきました。



ヒンドゥー教の神話や聖典には、
泥の中から茎を伸ばして花を咲かせるハスの様子が、清らかに生きることの象徴としてたびたび登場します。


このイメージは、仏教にも継承されていきます。
仏教では、智清や慈悲の象徴とされ、
死後の極楽浄土に咲く花として親しまれました。


そのため、如来像の台座や仏像を安置する厨子という仏具の扉に花が彫られています。

このような宗教的背景から、
インド、スリランカ、ベトナムでは国花とされ、
今でも多くの人に愛されています。


蓮(ハス)の花言葉は

『清らかな心』『休養』『神聖』『雄弁』
『沈着』『離れゆく愛』



「清らかな心」という花言葉は、泥水を吸い上げながらも美しい花を咲かせることに由来します。

「休養」は、午前中に咲いた花が午後には閉じてしまう様子を表したものです。

また、花が雄弁なことで知られるエジプトの神オシリスに捧げられたことから、
「雄弁」という花言葉をもつようになりました。




蓮は泥よりいでて泥に染まらず



泥水を成長の糧として美しく、凛と咲く蓮の花を見ていると、心が浄化されるようです














もう少し背筋を伸ばして歩こかな


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勿忘草

忘れな草は漢字で書くと「勿忘草」。
これは中国語の表記です。



直訳すると“忘れないでの草”。
和名の「忘れな草」はとても美しい訳ですね。



もともと最初にこの花名をつけたのは、
ドイツでした。



花名の由来は、
ドイツに伝わる中世の悲しい恋人たちの話です。



“若き騎士ルドルフと恋人ベルタが、
ドナウ川のほとりを散策していると、
岸辺に咲く美しい青い花を見つけます。



ルドルフはベルタのために
その花を摘もうとして岸に降りると、
思いがけず早い川の流れに飲まれてしまいます。



鎧の重さに耐えかねたルドルフは、
最後の力で花を岸に放り投げ、ベルタに向かって


「Vergiss mein nicht!(私を忘れないで)」


と叫び、
そのまま川底に沈んで死んでしまいます。



ベルタは亡き人の思い出を生涯大事に、
この花を髪に差し続けて過ごしました。



人々はこの花を「vergissmeinnicht」と呼び、
ふたりの物語を語り継ぎました。”




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