72-10/8→2/3





10月8日〜10月12日頃

鴻雁来
こうがんきたる

ツバメと入れ違いに雁が北から渡ってくる頃。雁は日本で冬を過ごし、暖かい春になるとシベリアの方へ帰っていきます。毎年、初めに訪れる雁を「初雁(はつかり)」と呼びます。



10月13日〜10月17日頃

菊花開
きくのはなひらく

菊の花がさく頃。各地で、菊の展示や菊まつり、品評会が行われます。菊には不老長寿の薬効があるとされ、旧暦9月9日の重陽の節句には、菊の花を酒に浮かべた菊花酒を飲む風習がありました。



10月18日〜10月22日頃

蟋蟀在戸
きりぎりすとにあり

蟋蟀が戸口でなく頃。この候の蟋蟀は、夏から冬にかけて見られ、鈴のような音色を響かせるツヅレサセコオロギだと言われています。ギーッチョンと機織りのように鳴く蟋蟀ではありません。



10月23日〜10月27日頃

霜始降
しもはじめてふる

氷の結晶である、霜がはじめて降りる頃。昔は、朝に外を見たとき、庭や道沿いが霜で真っ白になっていることから、雨や雪のように空から降ってくると思われていました。そのため、霜は降るといいます。



10月28日〜11月1日頃

霎時施
こさめときどきふる

ぱらぱらと通り雨のように雨が降りはじめる頃。雨が降ったかと思えば、すぐに青空が顔を出します。初時雨は、人々や動物たちが冬支度をはじめる合図だといわれています。



11月2日〜11月6日頃

楓蔦黄
もみじつたきばむ

もみじや蔦が色づいてくる頃。葉が赤色に変わることを「紅葉」と呼び、銀杏のように黄色に変わることは「黄葉」と呼びます。また、秋の山が紅葉することを「山粧う(よそおう)」といいます。



11月7日〜11月11日頃

山茶始開
つばきはじめてひらく

よみは「つばき」ですが、山茶花が咲き始める頃。冬枯れの景色の中で、大輪の山茶花の花はよりいっそう目立ちながら、綺麗に咲きほこります。



11月12日〜11月16日頃

地始凍
ちはじめてこおる

冬の冷気のなかで、大地が凍りはじめる頃。朝は霜が降り、場所によっては霜柱がみられるところもあります。夜は冷え込みがいっそう厳しくなるので、部屋の窓の結露にも注意が必要です。



11月17日〜11月21日頃

金盞香
きんせんかさく

水仙の花が咲きはじめる頃。漢字やよみからは、金盞花を連想してしまいそうですが、水仙の花のことを表しています。水仙は上品な香りと、育てやすさから人気のある花です。



11月22日〜11月26日頃

虹蔵不見
にじかくれてみえず

曇り空が多くなる頃。陽射しが弱まり、虹を見ることが少なくなります。見ることができても、夏の空のようなくっきりとした虹ではなく、ぼんやりとすぐに消えてしまいます。



11月27日〜12月1日頃

朔風払葉
きたかぜこのはをはらう

冷たい北風が、木々の葉を落とす頃。朔風とは北風のことです。地面いっぱいに広がる落ち葉と、葉を落とした木々は冬の景色の象徴であり、季節の移り変わりが感じられます。



12月2日〜12月6日頃

橘始黄
たちばなはじめてきばむ

橘の実が黄色くなっていく頃。橘とは柑橘のことで、古くから日本に自生していました。常緑植物であることから「永遠」を意味するとされ、不老不死の実だといわれていたようです。



12月7日〜12月10日頃

閉塞成冬
そらさむくふゆとなる

天地の気が塞がれ、冬がおとずれる頃。空は重い雲に覆われ、生き物はじっと気をひそめています。塞ぐという言葉は、寒さから人々を守るという意味でとることもできます。



12月11日〜12月15日頃

熊蟄穴
くまあなにこもる

熊が冬ごもりの時期に入り、穴にこもる頃。春になるまで、穴の中で過ごします。熊だけではなく、しまりすや蛙、こうもりも冬ごもりを始めます。



12月16日〜12月20日頃

鮭魚群
さけのうおむらがる

鮭が川を遡上する頃。海で育った鮭は、産卵のために自分の生まれた川へと里帰りをします。北国では冬を代表する光景のひとつであり、迫力のある遡上を見ることができます。



12月22日〜12月25日頃

乃東生
なつかれくさしょうず

夏になると枯れてしまう靭草(うつぼぐさ)の芽が出る頃。靭草は芽を出す頃ですが、この草以外の草木のほとんどは枯れていきます。



12月26日〜12月30日頃

麋角解
おおしかのつのおつる

ヘラジカの角が生え変わる頃。枝分かれした大きな角が抜け落ち、春にまた新しい角が生え始めます。



12月31日〜1月4日頃

雪下出麦
ゆきわたりてむぎいづる

降り積もった雪の下で、麦が芽を出しはじめる頃。重い雪の下で、暖かい春をじっと待っています。



1月5日〜1月9日頃

芹乃栄
せりすなわちさかう

芹が生え始める頃。芹は春の七草のひとつで、冷たい水辺で育ちます。一箇所から競り合って生えていることから、芹(セリ)という名前になりました。


1月10日〜1月14日頃

水泉動
しみずあたたかをふくむ

地中で凍った泉の水が溶け、動き始める頃。まだまだ空気は冷たく、寒い時期ですが、春に向けて少しずつ動き出しています。



1月15日〜1月19日頃

雉始
きじはじめてなく

雉が鳴き始める頃。雄が雌への求愛のしるしとして「ケーンケーン」と甲高い声で鳴きます。足の裏で震動を敏感に察知することができ、数秒早く地震を知らせることができます。



1月20日〜1月24日頃

款冬華
ふきのはなさく

凍てついた地面に蕗の花が咲き始める頃。地面には雪が積もり、強い寒さが襲ってくる時期ですが、草花は春に向けて着実に動き出しています。



1月25日〜1月29日頃

水沢腹堅
さわみずこおりつめる

沢の水が氷となり、厚く張りつめる頃。この時期に、一年での最低気温の記録がでることが多く、氷点下に達する地域も多くみられます。



1月30日〜2月3日頃

鶏始乳
にわとりはじめてとやにつく

鶏が春の気を感じ、たまごを産み始める頃。自然な状態の鶏は、日照時間が長くなるにつれ、産卵率が上がっていくため、春から夏にかけてたくさん卵を産みます。

72-6/5→10/7



6月5日〜6月9日頃

螳螂生
かまきりしょうず

秋に生みつけられた卵から、かまきりが誕生する頃。かまきりは農作物には手をつけず、害虫を捕まえてくれる、私たちにとってありがたい存在です。



6月10日〜6月15日頃

腐草為蛍
くされたるくさほたるとなる

ホタルが暗闇に光を放ちながら、飛び交う頃。きれいな水辺に住んでいると思われがちですが、野原でも蒸れて腐りかけた草の下で、明かりを灯し始めます。



6月16日〜6月20日頃

梅子黄
うめのみきばむ

梅雨入りと同じくして、梅の実が薄黄色に色づく頃。梅雨という言葉は、梅の実が熟す頃の雨という意味です。黴(カビ)が生えやすい季節なので、「黴雨(ばいう)」と書くこともありました。



6月21日〜6月25日頃

乃東枯
なつかれくさかるる

冬至の頃に芽を出した「靫草(うつぼぐさ)」が枯れていく頃。色鮮やかな夏の花が開花するという時期に、枯れていく花に思いを寄せた、古人の優しさを感じる言葉です。



6月26日〜6月30日頃

菖蒲華
あやめはなさく

アヤメが花を咲かせる頃。アヤメが咲くと、梅雨到来といわれていました。アヤメ、ハナショウブ、カキツバタはよく似ており、非常に見分けがつきにくいです。



7月1日〜7月6日頃

半夏生
はんげしょうず

半夏(からすびじゃく)が生える頃であり、半夏生の名をもつ草の葉が白く染まる頃。農事の節目ともされており、田植えを終わらせる頃です。



7月7日〜7月11日頃

温風至
あつかぜいたる

雲の間から注ぐ陽がだんだんと強くなる頃。 温風とは湿った空気が山を越え、乾いた温かい風となって吹き降ろすフェーン現象のことを表しているとも言われています。

7月12日〜7月16日頃

蓮始開
はすはじめてひらく

蓮がゆっくりと蕾をほどき、花を咲かす頃。 水底から茎を伸ばし、水面に葉を浮かべ、綺麗な花を咲かせる蓮ですが、花が開いてから四日目には散ってしまいます。



7月17日〜7月22日頃

鷹乃学習
たかすなわちわざをなす

五・六月に孵化した雛が、巣立ちの準備をする頃。 独り立ちができるよう、飛び方を覚え、獲物の捕り方を覚え、「独り」ということを一から学びます。



7月22日〜7月26日頃

桐始結花
きりはじめてはなをむすぶ

桐が花を咲かせる頃。盛夏を迎える頃には、卵形の実を結びます。桐は、伝統的に神聖な木とされ、豊臣秀吉などの天下人が好んだ花であり、現在も日本国政府の紋章として使用されています。



7月27日〜8月1日頃

土潤溽暑
つちうるおうてむしあつし

熱気がまとわりつく蒸し暑い頃。私たちは、この暑さを打ち水などでしのぐことしかできませんが、木や草花は緑をますます濃くして夏を歓楽しているようです。



8月2日〜8月6日頃

大雨時行
たいうときどきにふる

夕立や台風などの夏の雨が激しく降る頃。きれいな青空に湧き上がる入道雲は、夕立を教えてくれます。雲の頭が坊主頭に見えることから、入道雲と呼ばれています。



8月7日〜8月11日頃

涼風至
すずかぜいたる

夏の暑い風から、秋の涼しい風に替わりはじめる頃。
まぶしく輝いている太陽も日射しを和らげ、夕方に鳴く虫たちの音色も涼しさを演出してくれます。



8月12日〜8月16日頃

寒蝉鳴
ひぐらしなく

夏の終わりを告げるかのように、ヒグラシが鳴いている頃。ヒグラシは日の出前や日没後によく鳴き、終わってしまう夏を惜しんでいるかのように聞こえます。



8月17日〜8月22日頃

蒙霧升降
ふかききりまとう

森や水辺に白く深い霧がたちこめる頃。
朝夕のひんやりとした心地よい空気の中、
深い霧が幻想的な風景をつくりだします。



8月23日〜8月27日頃

綿柎開
わたのはなしべひらく

綿を包む柎が開き始める頃。柎とは花の萼(がく)のことです。柎が開き始めるとふわふわとした綿毛が中からとび出してきます。この綿毛が木綿の糸や布になります。



8月28日〜9月1日頃

天地始粛
てんちはじめてさむし

ようやく暑さが静まる頃。天気図には秋雨前線が登場し、冷たい空気とともに秋を運んできます。とはいっても、日中はまだまだ暑く、夏の気候が続きます。



9月2日〜9月6日頃

禾乃登
こくものすなわちみのる

日に日に稲穂の先が重くなってくる頃。稲穂はこぼれるように実り、色づき始めます。しかし、この時期は台風が襲来してくる時期であり、各地で農作を祈るお祭りが開催されます。



9月7日〜9月11日頃
草露白
くさのつゆしろし
草花の上に降りた朝露が、白く涼しく見える頃。夏から秋への変わり目です。「露が降りると晴れ」という言葉があり、朝霧は1日の天気を伝えてくれます。



9月12日〜9月16日頃

鶺鴒鳴
せきれいなく

鶺鴒の声が響きわたる頃。鶺鴒は水辺を好む鳥のため、川の上流域に行くほど多く見られます。町なかでは、あまり見かけられないかもしれませんが、民家の軒下などにも巣を作ります。



9月17日〜9月21日頃

玄鳥去
つばめさる

暖かくなる春先に日本にやってきたツバメが、暖かい南の地域へと帰っていく頃。また来年の春先には戻ってくるので、しばしの別れとなります。



9月22日〜9月27日頃

雷乃収声
かみなりすなわちこえをおさむ

夏の間に鳴り響いた雷が収まる頃。空にはもこもことした鱗雲があらわれます。「暑さ寒さも彼岸まで」の言葉の通り、残暑も落ち着き、秋の気候へと変わっていきます。



9月28日〜10月2日頃

蟄虫坏戸
むしかくれてとをふさぐ

外で活動していた虫たちが冬ごもりの支度をはじめる頃。虫たちは秋冬が終わるのを、約半年間も土の中で静かに待ちます。そして、啓蟄の頃に再び姿を現します。



10月3日〜10月7日頃

水始涸
みずはじめてかる

田の水を落として、稲穂の刈り入れを始める頃。収穫の秋まっただなかで、大忙しですが、黄金に色づいた稲穂が輝き、風がなびく風景はとても美しいです。






72-2/4→6/4


2月4日〜2月8日頃

東風解凍
はるかぜこおりをとく

暖かい春の風が、冬の間張りつめていた氷を解かし始める頃。
いよいよ春の暖かい足音が聞こえ始めてきました。


2月9日〜2月13日頃

黄鶯ケンカン(漢字で)
うぐいすなく

「ホーホケキョ」と、ウグイスが馴染みのある美しい鳴き声で、春の到来を告げる頃。その年の一番初めに聞くウグイスの声を「初音(はつね)」といいます。



2月14日〜2月18日頃

魚上氷
うおこおりをいずる

春の暖かさで湖や川の氷が割れ、氷下で泳いでいた魚が氷の上に跳ね上がる頃。温かくなった水の中に、ゆらゆら泳ぐ魚の姿がよく見え始めます。



2月19日〜2月23日頃

土脉潤起
つちのしょううるおいおこる

冷たい雪が暖かい春の雨に代わり、大地に潤いをあたえる頃。寒さもゆるみ、眠っていた動物も目覚めます。



2月24日〜2月28日頃

霞始靆
かすみはじめてたなびく

霧やもやのため、遠くの山や景色がほのかに現れては消え、山野の情景に趣が加わる頃。春に出る霧を霞(かすみ)と呼び、夜の霞は朧(おぼろ)と呼ばれます。



2月29日〜3月4日頃

草木萌動
そうもくめばえいずる

足もとや庭木の先にほんのりと薄緑に色づく芽が見られる頃。やわらかい春の日差しの中、草木が芽吹き、新しい命が生まれます。



3月5日〜3月9日頃

蟄虫啓戸
すごもりむしとをひらく

土中で冬眠をしていた虫たちが、暖かい春の日差しの下に出てき始める頃。虫とはいいますが、冬眠から目覚め始めるすべての生き物のことを表しています。



3月10日〜3月14日頃

桃始笑
ももはじめてさく

桃のつぼみが開き、花が咲き始める頃。昔は“咲く”という言葉を“笑う”と表現したそうです。ゆっくりと開いていく桃の花は、ほほ笑んでいるようにも見えます。



3月15日〜3月19日頃

菜虫化蝶
なむしちょうとなる

厳しい冬を越したさなぎが羽化し、美しい蝶へと生まれ変わり、羽ばたく頃。菜虫とは、大根や蕪などの葉につく青虫のことをいいます。



3月20日〜3月24日頃

雀始巣
すずめはじめてすくう

雀が巣を作り始める頃。俳句や民話、童謡にも用いられ、日本人にとって古くから身近な存在である雀ですが、最近では生息数が少なく、貴重な存在になっています。



3月25日〜3月29日頃

桜始開
さくらはじめてひらく

全国各地から桜の開花が聞こえてくる頃。本格的な春の到来です。きれいな桜の木の下で、自然に感謝し春を祝福しましょう。




3月30日〜4月3日頃

雷乃発声
かみなりすなわちこえをはっす

春の訪れとともに、恵みの雨を呼ぶ雷が遠くの空で鳴りはじめる頃。季節の変わり目であり大気が不安定であることから、雪や雹を降らせることもあります。



4月4日〜4月8日頃

玄鳥至
つばめきたる

冬の間、暖かい東南アジアの島々で過ごしていたツバメが海を渡って、日本にやってくる頃。つばめの飛来は、本格的な春と農耕シーズンを表しています。



4月9日〜4月13日頃

鴻雁北
こうがんきたへかえる

ツバメとは反対に、冬の間を日本で過ごした雁が北のシベリアへと帰っていく頃。雁は「かり」とも読み、「鴈」と書くこともあります。「カリカリ」という鳴き声が名前の由来とも言われています。



4月14日〜4月19日頃

虹始見
にじはじめてあらわる

春が深くなるにつれ、空気が潤ってくるので、この時期からきれいな虹を見ることができます。虹が虫偏なのは、空にかかる虹を大きな蛇と見たてたためとされています。



4月20日〜4月24日頃

葭始生
あしはじめてしょうず

水辺の葭が芽吹き始め、山の植物、野の植物が緑一色に輝き始める頃。葭は、最終的にすだれや屋根などに形を変え、人々の生活を手助けしてくれます。



4月25日〜4月29日頃

霜止出苗
しもやんでなえいづる

暖かくなり、霜も降らなくなり、苗がすくすくと育つ頃。田植えの準備が始まり、活気にあふれている農家の様子が連想できる言葉です。



4月30日〜5月4日頃

牡丹華
ぼたんはなさく

百花の王である牡丹が開花し始める頃。美しく、存在感があり堂々としている牡丹。中国では、国の代表花として牡丹があげられ、数え切れないほどの逸話や美術に登場します。



5月5日〜5月9日頃

蛙始鳴
かわずはじめてなく

春先に冬眠から目覚めた蛙がウォーミングアップを終え、元気に活動し始める頃。オスの蛙の鳴き声は、メスの蛙を恋しがって鳴く声だともいわれています。



5月10日〜5月14日頃

蚯蚓出
みみずいづる

冬眠していたミミズが土の中から出てくる頃。他の生き物は「啓蟄」の頃に出てきますが、ミミズはマイペースに活動を始め、土を肥やしてくれる影の努力家です。



5月15日〜5月19日頃

竹笋生
たけのこしょうず

たけのこがひょっこり顔を出す頃。伸びすぎないうちに収穫しなければ、美味しいたけのこは味わえません。種類によって収穫期は異なるので、三月から六月頃まで収穫できます。



5月20日〜5月25日頃

蚕起食桑
かいこおきてくわをはむ

蚕が、桑の葉をたくさん食べて成長する頃。人々の暮らしを支えていたため、「おかいこさま」と敬称をつけて呼ぶ地方もありました。



5月26日〜5月30日頃

紅花栄
べにばなさかう

あたり一面に紅花が咲く頃。紅花は古代エジプト時代から染料として利用されていました。花びらの水に溶ける黄色の色素と、水に溶けない赤の色素から、紅色がつくられます。



5月31日〜6月4日頃

麦秋至
むぎのあきいたる

麦が熟し、たっぷりと金色の穂をつける頃。百穀が成熟する、麦にとっての「秋」です。この時期に穂を揺らしながら吹き渡る風を麦嵐、また降る雨を麦雨と呼びます。




ナナジュウニコウ


日本人の豊かな感性と日本語の美しさが宿る
七十二候

前の記事で二十四節気を紹介しましたが、
調べてみたら七十二候なるものを発見。
この七十二候が、とにかく美しい。
文字の並び、読み、意味、全てに完成されています。




古来の人々は、太陽や月のめぐるリズムを、
季節を知る手がかりにしていました。
地球が太陽のまわりを1周する時間の長さを1年とするのが太陽暦。太陽暦の1年が春夏秋冬の四季、二十四節気に分けられ、さらに七十二候に細分されました。


日本人の豊かな感性と日本語の美しさが宿る
七十二候

前の記事で二十四節気を紹介しましたが、
調べてみたら七十二候なるものを発見。
この七十二候が、とにかく美しい。
文字の並び、読み、意味、全てに完成されています。




古来の人々は、太陽や月のめぐるリズムを、
季節を知る手がかりにしていました。
地球が太陽のまわりを1周する時間の長さを1年とするのが太陽暦。太陽暦の1年が春夏秋冬の四季、二十四節気に分けられ、さらに七十二候に細分されました。

気候と言う言葉がありますが、
二十四節気の気、
七十二候の候から取られたようです。

それは、季節を知る目安であるとともに、
農作業やさまざまな行事の指標となりました。

日本人の豊かな感性が宿る七十二候を
これよりご紹介致しますね。



季節の移ろいの中で、
自分が生まれた日を探してみませんか?

わたしは生まれた日の占いより、
生まれた日の出来事に興味深々です。





季節の香り立つ言葉を堪能して下さい。

フシメ







【立春】 りっしゅん:2月4日頃


二十四節気の最初の節気で、この日から暦の上では春となり、さまざまな決まりごとや節目の基準になっています。旧暦では立春近くに正月がめぐってきたので、立春は春の始まりであり、1年の始まりでもありました。まだまだ寒さは厳しいですが、立春を過ぎてから初めて吹く強い南風を「春一番」といいます。



【雨水】 うすい:2月19日頃


雪から雨へと変わり、降り積もった雪も溶けだす頃という意味です。実際にはまだ雪深いところも多く、これから雪が降り出す地域もありますが、ちろちろと流れ出す雪溶け水に、春の足音を感じます。



【啓蟄】 けいちつ:3月6日頃


大地が温まって、冬ごもりから目覚めた虫が、穴をひらいて顔を出す頃。「啓」はひらく、「蟄」は土の中にとじこもっていた虫(蛙や蛇)という意味です。ひと雨ごとに暖かくなり、日差しも春めいて、生き物が再び活動し始めます。



【春分】 しゅんぶん:3月21日頃


昼夜の長さがほぼ同じになる日で、この日を境に陽が延びていきます。春分の日は彼岸の中日で前後3日間を春彼岸といい、先祖のお墓参りをする習慣があります。「自然をたたえ、生物をいつくしむ」として国民の祝日になっています。



【清明】 せいめい:4月5日頃


清明は「清浄明潔」の略で、万物がけがれなく清らかで生き生きしているという意味です。花が咲き、鳥は歌い、空は青く澄み、爽やかな風が吹き、すべてのものが春の息吹を謳歌する頃。各地でお花見シーズンを迎えます。



【穀雨】 こくう:4月20日頃


春の柔らかな雨に農作物がうるおうという意味です。この時期に農作物の種をまくと、雨に恵まれ、よく成長するといわれています。



【立夏】 りっか:5月6日頃


この日から立秋の前日までが暦の上では夏となります。新緑に彩られ、さわやかな晴天が続く頃です。ちょうどゴールデンウィークの時期にあたり、レジャーに出かけるにもよい気候です。



【小満】 しょうまん:5月21日頃


陽気がよくなり草木が成長して茂るという意味です。農家では田植えの準備を始める頃。動物や植物にも活気があふれます。また、秋にまいた麦の穂が付くころで安心する(少し満足する)という意味もあります。



【芒種】 ぼうしゅ:6月6日頃


「芒」とはイネ科植物の穂先にある毛のような部分のことで、稲などの穀物の種をまく時期という意味です。田植えの目安とされ、農家が忙しくなる時期。梅雨入りも間近で少し蒸し暑くなってくる頃です。



【夏至】 げし:6月21日頃


北半球では、太陽が最も高く昇り、1年で最も昼が長い日です。ただ、日本では梅雨のシーズンでもあるので、日照時間が短く、あまり日の長さを実感できないかもしれません。暦の上では夏の折り返し地点にあたり、夏至を過ぎると暑さが増して本格的な夏がやってきます。



【小暑】 しょうしょ:7月7日頃


だんだん暑さが増していくという意味で、梅雨明けも近くなり、湿っぽさの中にも夏の熱気が感じられるようになります。海や山に出かけるのにもいい時期です。また、小暑と大暑を合わせたおよそ1か月を「暑中」といい、「暑中見舞い」を出す期間とされています。



【大暑】 たいしょ:7月23日頃


夏の暑さが本格的になるという意味ですが、子どもたちは夏休みに入ってわくわく。農家にとっては田の草取り、害虫駆除など暑い中での農作業が続く大変な時期です。また、土用の丑の日が近く、夏バテ防止にうなぎを食べたりする頃です。



【立秋】 りっしゅう:8月7日頃


厳しい残暑は続きますが、この日から暦の上では秋となります。これからは少しずつ涼しくなり、秋の気配が漂いだす頃です。また、立秋を過ぎたら「暑中見舞い」は「残暑見舞い」に変わります。




【処暑】 しょしょ:8月23日頃


暑さがおさまるという意味で、日中は暑いものの、朝晩の涼しさに初秋の息遣いを感じる頃です。夏休みもそろそろ終わり。秋の台風シーズンに入っていきます。



【白露】 はくろ:9月8日頃


秋が深まり、草花に朝露がつきはじめる頃という意味です。空は高くなり、秋雲がたなびくようになり、本格的な秋の到来です。また、実りの秋を前に台風が心配な時期でもあります。



【秋分】 しゅうぶん:9月23日頃


昼夜の長さがほぼ同じになる日で、この日を境に日が短くなり、秋の夜長に向かいます。秋分の日は彼岸の中日で前後3日間を秋彼岸といい、先祖のお墓参りをする習慣があります。「祖先を敬い、亡くなった人をしのぶ日」として国民の祝日になっています。




【寒露】 かんろ:10月8日頃


草木に冷たい露が降りる頃という意味です。秋の長雨が終わり、ぐっと秋が深まります。稲刈りが終わるころで、その他の農作物の収穫もたけなわとなります。また、北の方から紅葉の便りが届きはじめます。



【霜降】 そうこう:10月23日頃


早朝に霜が降りはじめる頃という意味です。晩秋を迎え、北の方では朝霜が降り、山々は紅葉に染まります。



【立冬】 りっとう:11月7日頃


この日から立春の前日までが暦の上では冬となります。木枯らしが吹き、冬の訪れを感じる頃。太陽の光が弱まって日も短くなり、木立ちの冬枯れが目立つようになります。木枯らしが吹くのは、冬型の気圧配置になった証拠です。



【小雪】 しょうせつ:11月22日頃


木々の葉が落ち、山には初雪が舞い始める頃です。「小雪」とは、冬とは言えまだ雪はさほど多くないという意味で、冬の入口にあたります。



【大雪】 たいせつ:12月7日頃


山の峰々は雪をかぶり、平地にも雪が降る頃です。本格的な冬の到来で、動物たちも冬ごもりを始めます。年末に向け、お正月の準備も始まって、何かとあわただしい時期でもあります。



【冬至】 とうじ:12月22日頃


太陽が最も低い位置にあり、1年で最も夜が長く、昼が短い日です。太陽の力が一番弱まる日ですが、翌日からは再び強まるということから、運が向いてくるとされています。また、冬至かぼちゃ、冬至がゆ、柚子湯などで、厄払いや無病息災を願う風習があります。




【小寒】 しょうかん:1月5日頃


池や川の氷も厚みを増し、寒さが厳しくなる頃です。この日を「寒の入り」といい、寒さの始まりを意味します。そして、小寒と大寒を合わせたおよそ1か月を「寒中」「寒の内」といい、寒中見舞いを出す時期とされています。




【大寒】 だいかん:1月20日頃


冷え込みもはげしく、寒さが最も厳しい頃。二十四節気の最後の節気で、ここを乗り切れば春近しということです。寒気を利用した食物(凍り豆腐、寒天、酒、味噌など)を仕込む時期にもあたります。
前の記事へ 次の記事へ