「好きになっちゃったみたい」
と、君は照れながら俺に言った。大事な話が有るから部活が終わったら待っててくれない?と、言われいざ、本題でこれか。
まてまて、俺、冷静に考えて、おかしいだろ、変だろ。
これって愛の告白って奴?
いや、違うよな、だって、告白って言ったら、好きですとか、付き合って下さいとか、そういう台詞な訳で、好きになっちゃったみたい、って事はまだ断定じゃない訳で。
そりゃ、友達としての好きなら、分かるんだけど、あれ、でもまてよ。
(俺も、相手も男なんですけど…?)
…俺、間違ってないよ、ね?
酷く吐き気がする、何度も何度も胃の中にあるものを吐き出した。
酷い頭痛がする、まるで鈍器で撲られたかのように、頭がくらくらして足元が覚束ない。
痛みに耐えながらも君の傍に行く。
あぁ、そうか、
君が、居たから俺はこんなに苦しいんだと思った。
じゃぁ、なんで一緒に居たんだっけ?
思い出せ無い、何も。
君が安らかに眠るベッドの横で俺は深い眠りにへと誘われた。
耳が、頬がヒリヒリ痛い。
君を待ちすぎた、この場所。
吐く息は白く、世界に溶け込む。
「あ、栄口」
「あ、おは、よ…」
「どうしたの、こんな時間に…寒かったでしょ?上がりなよ」
「いや、ちがくて…」
「…?」
君が優し過ぎるから、俺には眩しすぎて、存在が大きすぎた。
ごめんな、ごめん、だから、
さよならを言いに来たんだ。
きっと、不毛な恋だった、って事は初めから分かってたんだと思う。
自分に言い聞かせたけど、やっぱり、俺が三橋を好きなのは変わらなかった。(好き、と言うか尊敬なのかな、これは、)
阿部にけちょんけちょんに言われる姿を見ると、どうしても助けに行きたくなってしまう。
三橋は、頑張ってんのに、何でそこまで言う必要があるんだ、って。
俺にはイマイチ、野球の事分かんないけど…、それでも、努力して、皆に追い付きたいよ。
阿三←西