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ダイエット

最近、9Fフロアを歩き回っているおばさんが居る。
片足引きずっている為、スリッパの音が耳につくが、聞こえてきても不快ではなく、またか。ぐらい。
噂によると、体重の増えすぎで膝に負担がかかり、医者から痩せろと通達が。
「私ダイエットしてるの」と色んな患者さんに言って回る、不思議なおばさん。
ある時食事を摂っていると、
「私ダイエットしてるから、いつもご飯を半分残してるの」とだけ言ってまた歩き始めた。
私は食事を終え、カートまで食器を下げに行く。あのおばさんのおぼんが置かれていた。
「完食しとるやん…」

綺麗なオバケ

公園のベンチで一服中。隣良い?と小綺麗にしたおば様に声を掛けられた。
どうぞ、と笑顔で返す。
「お見舞いに来られたの?」
「いえ、入院中で。顎の骨を折ったんです。」
「あらまぁ、痛かったわねぇ。あなた肌がとっても綺麗ね。まだお若いんでしょう?」
「23歳です。」
「羨ましいわぁ。私なんてもうおばあさん。肌なんかボロボロのシワシワよ」
「そんなことないですよ。すごくお綺麗です。」
「あらやだ。いくつに見える?」
この質問、絶対くると思った。何なら座った瞬間、いや、座る前から分かっていた。
「40代後半〜50代ぐらい、かな」
実際は50代後半から60代ぐらいと予想。ちょっと無理しすぎたかも!と、反省する間も与えず、
「や〜だ〜。そんな若く見える?私もまだまだ現役でいけそうね!ありがとう」
と言い放って何処かへ消えていった。
新種の幽霊かな

チョウチョ

ここ数日、公園に居ると必ずモンシロチョウが近寄ってくる。
なんなら、足にとまったりもする。
チョウチョとはいえ、元はイモムシ。
ウェ〜。と思いながらシッシッと手で払う。それでも私に近づいてくる。
思考を変えてみよう。
チープなドラマ的に言うと、誰かの生まれ変わりかもしれない。
ケガした私を心配して見に来てくれたんだね、紀代美ちゃん。
あれ、待てよ。紀代美ちゃんは、まだ死んでいませんでした…。

おばさん

タバコを吸おうとエレベーターホールに向かった。
そこには降りるボタンを押し、まだ大きすぎるサッカーボールを持つ落ち着きのない男の子が1人。
「あんた1人でどこ行くん?」
「こうえん、おばさんは?」
「公園。」
「いっしょやーーん!」
という、ちょっとイラっとする会話をしているうちにエレベーターのドアが開く。
土曜日ということもあってか、それなりに人が乗っていた。
「可愛いねぇ。何歳なの?」
静まりかえる密室。あれ…、まさかと思い顔を上げると、問いかけたおばさんは私を見つめている。マジか…。
「ほら。何歳になったかなー?自分で答えれるもんねー?」
「5さーい!」
ナイスシュート。
と同時にエレベーターのドアが開く。
走り去る5さい。
きっとJリーガーになれるよ、ありがとう、ボク。

風が強い日

同室のおばあちゃんとタバコを吸いに行くことになった。
今日は雲ひとつない晴天だ。
「気持ちが良いね〜」と、嬉しそうに言うおばあちゃん。
私はタバコ咥え、火を付けながら「ですね〜」と、返す。
カチッカチッと何度もライターの音が聞こえてくる。右を見ると先程の表情とは一転、険しい顔のおばあちゃん。
ライターのガスは減っていない。壊れたかな。貸そうか?とライターを差し出すと、
「天気は良いのに風が強いね。火がつかん」
ううん、風は吹いてないの。おばあちゃんの手が震えてるんだよ
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