スポンサーサイト



この広告は30日以上更新がないブログに表示されます。

コープスブライド

ジョニー・デップ第二弾。
今回はアニメーション作品です。
「ナイトメア・ビフォア・クリスマス」が結構好きなので、そのテイストを楽しみたくて鑑賞しました。

* * *

19世紀、ヨーロッパの小さな村。
金持ちだが品格のない魚屋のヴァン・ドート夫妻の息子ヴィクターと、貴族ではあるものの貧乏なエバーグロット夫婦の娘ヴィクトリアは、親同士の政略により結婚を決められた。
会ったこともない人と結婚するなんて、と二人は不安がってはいたが、いざ会ってみるといい雰囲気に。
ところがヴィクターは緊張のあまり期待の言葉が上手く言えず、神父を怒らせ「台詞を覚えるまで結婚式は延期」と言われてしまう。
落ち込むヴィクターは一人森へと向かい、台詞の練習を始める。
すると、なんと結婚の誓いの台詞がスラスラと言えるではないか。
ヴィクターは調子に乗り、近くに突き出ていた枯れ枝をヴィクトリアの指に見立てて指輪を通す。
しかしそれが騒動の引き金に。
枝だと思っていたものは“コープス・ブライド”(死体の花嫁)だったのだ。
結婚の誓いをされたと勘違いしたコープス・ブライド、エミリーはヴィクターを死者の世界へと引きずり込む。
ところが、死者の世界は現実よりもずっと明るく楽しい。
暗くどんよりとしたヴィクターの村とは大違いだ。
カラフルなパブ、楽しく歌うガイコツ。
ヴィクターは次第に死者の世界に魅せられてしまい…。

今や大人気のティム・バートン&ジョニー・デップコンビの4作目。
「チャーリーとチョコレート工場」と同時期に作られた作品のため、キャストやスタッフが一部重複している。

* * *

ストーリーといい、キャラクターデザインといい、色といい、音楽といい、ティム・バートンカラー全開の作品です。
「シザー・ハンズ」と「スリーピー・ホロウ」と「ナイトメア・ビフォア・クリスマス」を足して三で割ったような雰囲気ですね。
この辺のが好きな人は気に入ると思います。
全体が退廃的な感じで、ゴシック調なのが特徴。
不気味なのに奇妙な可愛さがあるこの作品、徐々にその世界へと引き込まれます。

気弱で内向的なヴィクターを演じるのはもちろんジョニー・デップ。
今まで観た彼は割とどっしりした声を出した役が多かったので一体どうヴィクターを演じるのか、と思いましたが、いざ聞いてみると細くて弱ーい声!!
しかも上手い!!
さすがカメレオン俳優ですね。

何よりの見所は、キャラクターの滑らかな動きや豊かな感情表現。
眉や指の先、隅々まで細やかに表現されており、よりキャラクターに感情移入しやすいです。
あと、ティム・バートン作品でお馴染み、ダニー・エルフマンの音楽もピッタリ。
作品を盛り上げてくれています。

ストーリーはといいますと、起承転結が割とハッキリしていてかなりわかりやすいです。
展開は読めるっちゃ読めるけど、アニメだし特に気になりません。
オチがあっさりしすぎなような感じもしましたが、これはキャラクターで楽しむような面を持っている作品でもあると思うのでまぁまぁOK。
なのでじっくり鑑賞、というよりはリラックスしてさくっと観るのが良いのではないかと思います。
二時間ないくらいの短い作品だし。

でも私は結構好きだったり。
ヴィクターの村と死者の世界とのギャップなんてなかなか面白いです。
ヴィクターの村はいつも薄暗く、「音楽なんて情熱的すぎることはやめなさい」なんて言われてしまう楽しみのない村。
一方死者の世界はいつでも賑やか、パブは飲めや歌えやの大宴会、楽しく歌って踊るガイコツたち…。
ヴィクターが憧れてもおかしくありません。
その中でヴィクターは「生きている意味」を考え始めるんですねー。
そして私たちもヴィクターと同時にその意味を考え始めるのです。

でもヴィクトリアが好きなヴィクターはその狭間で揺れます。
しかも、エミリーが“コープス・ブライド”となってしまったなんとも哀れな理由を聞いてますます揺れてしまう。

ヴィクターがどんな選択をするのか、ヴィクトリア・エミリーはそれぞれどう動くか、気になる方はどうぞ。
もしストーリーが気に入らなかったとしても、アニメーションの技術にきっと驚きますよ。

コープス・ブライド(2005)
声の出演:ジョニー・デップ
ヘレナ・ボナム・カーター
監督:ティム・バートン
前の記事へ 次の記事へ