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クライ・ベイビー

高校の授業でメディア論などを学びながら小論文を書いたりディベートをする授業がありまして。
うちの学科にしかない授業で、しかも選択制で非常に人数が少なくさらに講師の先生がめっちゃ良い人で大好きな授業でした。
その授業の最終課題が自分の好きなものを調べてプレゼンする、というもの。
私は当時夢中だったジョニー・デップをプレゼンすることにし、とにかく彼の主演作を観ようということにしたのでここからはジョニー・デップラッシュです。

* * *

1954年、アメリカ・ボルチモア。
不良グループ〈ドレイプス〉のリーダー、ウェイド(クライ・ベイビー)とお嬢様グループ〈スクエアズ〉のアリスンは、予防注射の席で一瞬で恋に落ちる。
アリスンのボーイフレンドのボールドウィンとアリスンの祖母は二人を引き離そうとするが、アリスンはクライ・ベイビーに夢中ですっかり感化されてしまっている。
アリスンは自分のグループのパーティーを抜け出し〈ドレイプス〉のパーティーへと行き、クライ・ベイビーがボーカルを務めるロカビリーバンドと共に熱唱。
ところがそれに激怒した〈スクエアズ〉のアリスンを取り巻く男子連中がパーティーへと殴り込みをかけ、大乱闘となってしまう。
やがて警察がやってくるが、ケンカをふっかけた〈スクエアズ〉ではなく、不良グループだというだけで〈ドレイプス〉のメンバーが逮捕されてしまい、クライ・ベイビーは少年院行きに。
さらに、クライ・ベイビーに一方的に惚れている女が、取材に来たカメラの前で「私のお腹には彼の子供がいるの」というイカれた発言をし、アリスンの心はクライ・ベイビーから離れてしまい…。

「キング・オブ・カルト」のジョン・ウォーターズ(世界一下品な映画と名高い「ピンク・フラミンゴ」の監督!!)が描く、痛快青春ミュージカルムービー。
今では男女問わず大人気のジョニー・デップの初主演作。
歌声は吹き替えではあるものの、若き日のジョニーが歌って踊るという珍しい姿を見ることが出来る。

* * *

第一印象は「なんじゃこりゃー!!」です(笑)
かなりブッ飛んだ映画ですよ、コレは。
全体的に展開が猛ダッシュで進んでる感じがしました。
ていうかジョニー・デップが若い!!初々しい!!
この作品では彼は不良リーダーなのでリーゼントに革ジャン、タバコとキメキメですが、ベビーフェイスな彼がそんな格好をしても背伸びをしているだけにしか見えず、めちゃめちゃ可愛い…!!
目がクリクリっとしていて、まさにジュニアアイドルのような容姿でツッパルもんだから見てるこっちとしては
「ははは、こやつめwww」
みたいな生暖かい目を向けてしまう(笑)
あとミュージカルということで踊っていますが、正直言うと、彼は踊りが下手です(笑)
でも頑張ってる姿がまた可愛い!!

そしてブッ飛んでいるのはストーリーだけじゃない。
クライ・ベイビーも含め、キャラクターがみんなどこかブッ飛んでいます。
クライ・ベイビーの父親は連続殺人で捕まり、母親も共犯ということにされ電気椅子で死刑にされてしまいます。そのため彼の胸には大きな電気椅子の入れ墨が。
そして彼は感情が高ぶると左目から涙が流れる、という変な設定が。
クライ・ベイビーとは「泣き虫」という意味なのであだ名の由来になったのだとは思いますが、果たして必要な設定だったのかはよくわかりません(笑)
〈ドレイプス〉のメンバーも大変です。
すでに二人の子持ちで現在も妊娠中のクライ・ベイビーの妹。(妊娠中なのかどうかわからないようなポッチャリさん)ちなみに彼氏とはラブラブ中。
ツッパッてはいるものの、変テコな両親のもとで育ちピュアなハートと体を持つワンダ。
牛も逃げ出すような、ハッキリ言って化け物のような見た目をしたハチェット(女)。
ちなみにハチェットも彼氏持ちです。化け物もリア充かよ!!
その彼氏は厳しい家庭で育ち、その反発でツッパり〈ドレイプス〉のメンバーに。両親はそのことにもハチェットとの付き合いにも猛反対です。
これだけで近寄りたくない感じがしますが、大変なメンバーは〈ドレイプス〉内だけでは収まりません。
山小屋のような家に住み、庭で遊ぶリスがうるさいと言って猟銃をぶっ放すクライ・ベイビーの祖母。(SM女王のような格好をしています)
祖母と共に暮らし、玄関先に金ダライをだし、そこで体を洗い出すクライ・ベイビーのおじ。(演じているのはあのイギー・ポップ!!)
あぁもう大変だ。
主役から脇役まで濃すぎる。
だからそのぶんアリスンが霞んでしまっている部分があります。
でもそのアリスンも場面によって可愛く見えない時もあるので…でした(笑)

こんなことを言うのはアレですが、ストーリーに期待するな!!
内容は学生映画に毛が生えたような感じです。
不良だって青春するし、普通に恋してその子のために頑張るよ、って話かな、と私は思いました。

でも〈ドレイプス〉のメンバーはみんな苦労していて、だから曲がっちゃったのかなぁというのを感じました。
ワンダの両親はとにかく浮き世離れした頭悪い人って感じで、田舎臭いスイスの女の子を「留学生だ」とか言って家に連れてきて、「変わりにあなたは今日からスイスで暮らしてねー」なんて言い出す。それじゃあ家庭にウンザリもしちゃいます。
ハチェットも醜い容姿のために差別を受けたり悪人扱いされたりと、辛い思いをしてきたことがわかります。
それでも〈ドレイプス〉のメンバーはみんな仲が良く、お互いを家族のように大切にしていたので、とても好感が持てました。
クライ・ベイビーとアリスンの関係をすぐ認めて女の子同士仲良くしてたし。

この映画は若さゆえの暴走とか、仲間の絆とか、自由に恋愛したいとか、そういうものを元気いっぱいに描いている映画です。
ハチャメチャですが、爽快感があって楽しめます。
スッキリしたい方はドウゾ!!
あとジョニー・デップファンの方は必見ですね。
今では絶対見られない、色々な彼がこの作品では見られます。
ていうか同じ年に「シザーハンズ」が公開されたというのはなんかビックリ。
この時から演技派の芽は出ていたんでしょうね。

クライ・ベイビー(1990)
主演:ジョニー・デップ
エイミー・ロケイン
監督:ジョン・ウォーターズ
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