ふぅ、とうちゃーく



「七海!着いたよ〜」



なんとか2階の七海の部屋まで
連れて帰ってきた


家に来るの久しぶりかも





「制服シワになるから着替えてね」


「うん、」


「お母さん帰ってくるの何時くらい?」


「……10時くらい、かな」






遅いなー、ご飯とか
やっぱり作った方がいいよね




テッテッと階段を降りて

冷蔵庫をぱか





「....ないなー」




とりあえずいろいろ買ってこよう




氷枕だけ作って2階に上がる




コンコン


「着替えた?」



「ん〜」


「入るよ?」





ガチャ……





ぽけーっとしているままだった


ダメだこりゃ……





「飲み物とか買ってくるね、これ氷枕」


「ありがとう、夜空」





ほんのり顔が赤くてなんだかこんな姿は


見たことがないから新鮮だ




「着替え無理そう?」


「ううん、ごめんね、大丈夫」




冷たくて気持ちいい氷枕を

だっこして七海は笑った






「いい子にしててね、すぐ帰るから」


「わかった」







■□■□■□■





家を出てドラッグストアに向かった




お母さんには遅くなるって

メールしておこう







■□■□■□■







ガチャ……




ただいまー



ってなんか人の家だから

何回入っても緊張しちゃう





買ったものを冷蔵庫に入れて


静かに階段を上がった






「かえったよー」



なんとなく小声でドアをあける





「あ、おかえり」




寝てるかと思ったけど起きてた

ちゃんと着替えてる




「お粥食べれそう?」



薬飲む前に少しは食べないとね





「大丈夫だよ、心配かけてごめんね。
 あのときクラっとしただけだから」



「でも、、」



「家帰るの遅くなって心配かけないの」





こんなときでも人の心配...

置いて帰れるわけないのに



「でも……!」







ピリリ……ピリリ……!






反論しようとしたら

携帯の音が鳴った


わたしじゃなくて七海の携帯だった





「誰から?」


「お母さんだった」



買い物の間に風邪ひいたって

メールでもしたのかな?




「お母さんなんて?」


「...」





七海が携帯を見て黙った


んん?




サッ




「あっ」



メールを覗くと






ごめん、今日は帰れない

ごはん代は後で出すから






と、きていた




覗かれた七海は呆れた顔していた





ん?待てよ?



今日帰ってこれない?


じゃあ風邪なのに一人?






「七海ちゃーん、お世話しますね」にこっ


「ごはんできるまで寝てて!台所借りるね」




話しながら
サッサッと七海をお布団に入れた




「はぁ……お世話になります」



諦めたように七海が言った





観念したようだな!ふはは


おとなしくベットで寝なされ!





なぜか勝ったぜ!と思うわたし




さっ!おいしいお粥作ろ!












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