「ゆでダコだわ」


「誰のせいやねん」





キッと睨んで身体を守るポーズ


何されるかわかったもんじゃない





「怒んないで、もう出るから」


「え?」



「私がいたら洗いにくいでしょ?ゆっくりしてね」






そう言うとパタンと出て行ってしまった



...何かあっさりしてるな









■□■□■□■





はぁ、サッパリした!



出してくれたバスタオルで
身体を拭く




……ん?さっきまで着てた

借りもののスエットがない





コンコン……



「ん?」



「これ、着て?」




スススっと扉の隙間から


新しい服が差し出されている




「えっ、さっき着てたのでいいよ」



「汗かいたでしょ、いいから」





扉越しに服を受けとる



「ありがとう」


「はーい」





パタパタと足音が離れてゆく



先に出たの服出しててくれたのか……



熱があるのにいい子やな……




ジーンといい友達を持ったことに


少し浸ってしまう





服からふんわりと香る七海のにおい
いいにおいー





貸してもらった服を着て


リビングに向かう







「ねー、夜空」


「なになに??」




冷蔵庫の中身を見てる


七海に近寄る




「オムライスなら作れるけど、食べる?」



「えっ!オムライス!?」




キラキラとした目で七海を見つめる



「ちょー好き!!」




「ふふっよかった、じゃあ作るね」



七海は笑いながら

ケチャップと卵を取り出す




「でも、七海熱あるでしょ?」


「少しね、お昼だしお腹空いたでしょ」



「はいっ!私やる∩・ω・*) 」




家でたまーに作るから


作れる!!



「じゃあ2人で作ろうね」



「わかった!」








■□■□■□■






「出来たぁ!お腹すいた!!」




2人分のオムライスをもって


テーブルに運ぶ





お茶とスプーンを持った七海も


後から来た





七海と私のオムライスに


くまさんをケチャップで描いた





「ねー見て!かわいいでしょ」



「本当だ、可愛いわね」



「えへへ〜、じゃあ食べよっか」



『いただきまーす』




ぱくっと一口



「んま!」



「美味しく出来たね」





友達の家でこうやってお昼食べるの


新鮮だなぁ、こういうのしたことなかった




今日で帰っちゃうけど


もう少し一緒にいたいな





「……これ、食べたら家に帰っていいからね」


「えっ、まだ……」


「親御さん心配するよ。私はもう平気だから」




「……そっか」





七海もずっと他人が家に居たら


休むものも休めないのかもしれない



オムライス食べて、洗い物したら


大人しく帰ろう...







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