咽び泣く紫の花 : aria : bookmark


2014/6/10 Tue 01:25

You know, a mad hatter loves her



きっと、日本は紫陽花の季節ですわね。
もう水無月ですものね。



紫陽花を見ると、

茜さす昼はこちたしあぢさゐの
花のよひらに逢ひ見てしがな

この和歌が想い出されます。
私の大好きな和歌のひとつです。





昨夜は眠ることが出来ず、
嘆き哀しみ泣き臥せりつつ過ごし。

漸く朝陽が昇り始めれば、白い暁光でご本を開きました。





懐かしい小説を気なぐさめにして。

好きな場面を繰り返し繰り返し
なぞり、見つめ、声に出して読み。

陽が昇りきって明るい朝に部屋が満たされれば 



ラヴェルのピアノ曲を聴きながら、
眠れぬまでも床に横になり。




嗚呼、マイヤーリングがもう一度観たいわ。
only lovers left aliveも、何度でも。
それに理瀬の物語も読みたい。

 



人の世を厭い、人を厭い、自分を厭い。

そんな日には窓から青天を見上げてベッドのお城に閉じこもり、
美しいものだけを、俗世にまみれないものばかりを、高潔に描かれたものばかりを見つめて
暖かな午後に浸かっていたい。

ついそう想ってしまいますね。

*







 


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