咽び泣く紫の花 : aria : bookmark


2013/1/28 Mon 14:00

E for emerald




以前に買ったご本を読みました◎

短編集ですが、少しずつ全てのお話が繋がっています。

面白いご本だったのですが、
帯に書いてあった
「収録作すべてがラスト一行で落ちるミステリ」
というのは完全に間違っていると思います。

確かに驚くような展開だったりしますが、
正直、中盤から結末が分かってしまいます。


けれど、それでも最後まで楽しく読めるご本、というのが大変な魅力だと思うのです。 

古きよき時代の、良家のお嬢様方の、秘密。

「バベルの会」という大学のクラブに関わる彼女たちの
グロテスクなまでに不気味で残酷で、微かに切ない、不思議なミステリ本です。 

実に魅力的な雰囲気の漂うご本です。

真夜中にテーブルランプだけ燈したベッドルームや、
薄暗い古めかしい喫茶店の奥の席、
ひと気の無い午後の図書館の本棚の影、

そんな場所で読んで欲しいご本です。


あと、文庫本も出ているようなのですが
ぜひ、単行本でお読みになるのをお勧めいたします。
カバーをはずしたときの装丁がとにかく美しいのです。


個人的には、この「バベルの会」のシリーズをもっと読みたいです。

*







 


bookmark

top





.
-エムブロ-