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WOLF RPGエディターはフリーの高機能RPG制作ツールです。作者様本人が言う通り初心者は軽く心折られそうになりますが、ネットで講座サイトとにらめっこしながら根気勝負すれば段々と形にはなります。やれることも多いっぽいし。
たむけのでお世話になりました&ミドリカでお世話になってます。

つくカケSS - 花の散り咲く日・後編

自作ゲーム『創るカケラとあなたの夢』の補完的な過去編SSの後編です。長くなったので後編ももう一回分けます。
前編からどうぞ。


**********


『カタマリの島』。

海の上にある、巨大な無人島の呼び名だ。
『カタマリユリ』と呼ばれる巨大な百合の花が中心に美しく咲いていることから名付けられた。しかし知的生命はおらず、現地生物の中には非常に狂暴な種族もいるため、好き好んで入ろうとする者はまずいない。

そこに、幼い頃の咲香は「強くなりたい」という単純な理由から一人で入った。
今でこそ次期当主として申し分ない実力を備えている彼女だが、7歳ほどの少女が獰猛な生物に挑むなど結果が見えている。案の定、危ないところで凍季に助けられ、きつく叱られた。
親として当然の反応、しかし、幼い咲香は反論を投げかけずにいられない。

「親父はいつも無茶ばかりするじゃんか。だから、強いんだろ」

花縁 凍季は、君主でありながら前線に赴くことが多いことで有名な武人である。しかし、その戦い方は己を犠牲に他者を守ろうとするようなものであるがために、 他国の君主達などから『命を知らない男』と囁かれてしまっている。咲香の行動は、そんな父の背中を見ていたがためのものだろう。

半べそをかきながらキッと睨みつけてくる咲香に、凍季は困ったように、低い位置で結んだ長髪を軽く掻いてから「ちげーよ」と言い放つ。

「俺が強いのはそんな理由じゃねぇし、第一、お前がいなくなんのはダメだ。俺が死んだ時に誰がみんなを支えるんだよ」

真剣に返す凍季だったが、咲香はより強く睨み付けた。

「……わけわかんない。親父もいなくなったらダメに決まってるじゃん。ロードおじちゃんもカグラおばちゃんも、ローズ姉ちゃんだって、ずっと親父のこと心配してんのわかってんだろ!」

幼い瞳が涙に揺れる。
凍季は少し間を置いて、覇気がない声色でつぶやいた。

「咲香……わりぃな、俺はもうこんな風にしか生きれねぇ。一番愛してた華春(かはる)がいなくなってからは尚更だ。お前は、俺みたいなヤツにはなるんじゃねーぞ」

なんて父親だ、と幼心に感じながらも、咲香はずっと凍季が大好きであった。

今も昔も、それは変わらない。



草木の生い茂る無人島に着いた咲香達がまず驚いたのは、狩る者の憔悴ぶりと、第二陣で出たのであろう兵士達のうち数十人もが重軽傷を負いながらも狩られずに一命を取りとめていたことである。
咲香達は疑問を抱くより先に負傷兵の保護と手当をしながら、口が聞ける者からは情報を聞き出した。

「狩る者に追い詰められてもうダメかと思った時、胸のあたりで何かが光りました。その瞬間、柔らかな光のバリアが私を包み込み、数分ほどですが狩る者の攻撃から守ってくれたのです」

その後に取った行動こそ様々であったが、ほとんどの兵士は同じようなことを口にした。同時に、狩る者の憔悴ぶりについては「数時間前から徐々に弱り出した」と語る。

あまりに都合がいい事態に全員がやや困惑しながらも歩を進める。そんな中、咲香は先陣を切りつつ少し考え事をしていた。

(狩る者の弱り具合、もしかすると母体が討伐されたから……いや、母体がなくなって子まで弱るなんてケースは聞いたことがない。しかし今回は狩る者が海水無しでこのだだっ広い島を歩き回れたりとそもそもがイレギュラーだらけだ、有り得なくは無いかもしれん。仮にそうだとして……)

真面目な面持ちから一瞬、強い不安の色を滲ませる。

(第二陣の内の誰かが母体を討ったのか? あの面子の中で一番の手練れは親父だろう。だが、兵士達の言う術式は恐らく全部親父のだ。自動護符よりちょっと強い程度のものとはいえ、あれだけの人数分用意してて自分に使うものを用意出来るのか?)

そこまで考えて、咲香はかぶりを振ってから行かんとする道へ急いだ。


咲香が連れてきた兵士のほとんどが負傷兵の保護に追われつつも、誰一人傷付かずに中心部に迫ってきた。途中で通信が途切れたものの、通信途絶対策にと海水補給係の衛生兵も連れてきたので構わず進む。
中心部は無数の樹で覆われ、不気味な威圧感を感じさせる要塞のような壁を作り上げていた。
その一角、樹が不自然な形で曲がりくねり、大人でもなんとか通れるほどの通り道を見つけた。

「ここか……」

そうつぶやいてから、咲香はその辺の落ちている葉っぱに軽く指を宛てて数秒ほど念じる。すると、葉っぱから白く発光した大型犬のような何かが出現し、咲香が「行ってこい」と指示すると一目散に穴の中へ走って行った。
少し待ってから、穴の中が淡く照らされる。術式による、「危険はない」という合図である。

「行くぞ」

兵士よりも先に、咲香はその穴に潜り込んだ。


穴を潜り抜けると、 薄暗い閉鎖的な森の中に出た。大量の木々が地面を隠すほど剥き出しの根を張っているにも関わらず、不自然な一本道が出来ている。
咲香は、出口で待機していた術式を先に歩かせながら慎重に歩を進める。
すると、道の向こうの闇に、木の下に寄りかかる人影が見えた。

「……!」

身に鎧を纏い、頭半分ほどの兜の下から逞しくも凛々しい顔立ちとプラチナブロンドの短髪を覗かせている。間違いなく、鋼の国の騎士であろう。
咲香が近寄ると、騎士は鎧の隙間から怪我を負い、応急手当をしたと思わしき血だらけの腹部を抑えながら呼吸を整えていた。騎士は咲香に気が付き、銀色の瞳を咲香に向けながら口を動かす。

「貴女は……花の国の……」
「待て! じっとしてろ」

咲香が腰巻きスカートから大きな花のようなものを取りだし、騎士が押さえている場所にかざすと柔らかく光りだした。
光が染み込んでいくように身体中の傷が少し浅くなり、騎士の呼吸も穏やかになっていく。

「……よし、腹の傷は少し深いが、内臓まではやられてない。それより海水だな」
「ありがとう……ございます」

咲香の合図に兵士が歩み寄り、騎士に海水の補給と応急処置を施している最中、騎士は口を動かす。

「花の国の次期当主様。お気づきだとは、思いますが、現当主様は……」
「……一人で、母体と戦ってるんだろ」

ここまで来る最中、手練れの武人達に何度か遭遇した。そして凍季の次に強者であろう騎士がここで重症を負っている。

「私の、力及ばず……このような……」
「いや。鋼の国の騎士、よくここまで辿り着けた……じゃあ、いってくる」

震えを隠せない様子のまま更に闇の奥へと進もうとする咲香の背中に、騎士は言葉をかける。

「花の国の……次期、当主様」
「なんだ」
「今を逃してはいつお伝えできるかわかりません。ですから、無礼を承知で申し上げます」

騎士は、真剣な眼差しを咲香に向けた。銀色に輝く瞳が一層強い光を放つ。

「どうか、現当主様を守るためにご自身を犠牲になさることはお止め下さい」
「なっ……!」
「 あのお方は……最初から他人にのみ護身術式を使い、あまつさえ私をここまで逃がすために術を使った。あのような無謀な戦い方を、貴女様にはなさらないでほしい 」
「てめぇ……親父を……花縁凍季を侮辱するのかッ!! よりにもよってあたしの前で!!!」

咲香は煮えたぎるような怒りを露にするが、騎士は言葉を続ける。

「申し訳ありません……ですが、どうか、命の恩人の娘である貴女様だけは……これは、あの方をお守り出来なかった私の、我が儘でございます……ッ!」
「!……」

騎士は懇願するように頭を下げ、怪我を我慢していた時以上に顔を悲痛に歪める。

「……そうか、わかったよ」

咲香は術式を先に走らせて奥へと疾走していき、兵もそれに続く。

一行の影が見えなくなり、騎士と手当てを続けている衛生兵のみが残された場所で、騎士は大粒の涙をこぼして嘆いた。

「あのような存在を守りたいと、生きてきたはずなのに何故……騎士でありながら、自分はこんなに無力なのか……っ!!!」



薄暗い道を抜けた先には、 マリンブルーの柔らかな光に包まれた広い空間の中央で巨大で美しいカタマリユリが誇らしげに咲いていた。この光はカタマリユリが海水の粒子を根から掬い上げて周囲に広げているものであり、花がカタマリユリと呼ばれる由縁でもある 。
大木のように太い根がギチギチとせめぎあって床を作り、天上は発光する樹木の葉で隙間なく覆われて作られている。閉鎖的でありながら幻想的な、この世のものとは思えない聖域であった。

「……あ、あぁ」

そんな美しい風景に見とれている者は今、一人もいなかった。

カタマリユリの真下に太い根が裂けて出来た二つの揺りかごがあり、二つの動かない影が眠っている。
ひとつは懐に槍が刺さった巨大な母体の狩る者。もうひとつは、凍季であった。

「あ…………ぁ、あぁあぁあああああ!!!!!」

咲香の悲しみの絶叫が響き渡る。
安らかに眠っているように見える凍季の身体には、もう生きていないとわかるほどの傷が刻まれていた。

涙も亡骸も、カタマリユリの光は優しく包んでいた。

『ミドリカ・コメディ・ビザールショー』、予告だけよん

▲画像をクリックで拡大

TINAMIでも予告したけど一応こちらでも。

某映画のほんのりパロディみたいなタイトルですね、内容は似ても似つかないけど。
タイトルのフォントは 暗黒工房 様 (www.ankokukoubou.comより、カタカナフォントの『オバケ』をお借りしました。ハロウィンチックで可愛いよねこのフォント。

ケモフモフモフ毛モフモフ

▲画像をクリックで拡大

耳と尻尾無しで狐火びろんびろんなキツネ娘と耳尻尾ぷりんぷりんのちょいぽちゃタヌキ娘。妖怪幼女。

キツネ娘の方は耳尻尾が無い代わりに手が黒かったり体毛がふわふわだったりケモノフェイスだったりなんだけど、顔がなかなか犬科っぽくならなくて苦労した……。
タヌキ娘はなんかリスっぽくなったような気がするけどまぁこれはこれで。もっと幼くてもいいな。

ようやっと

▲画像をクリックで拡大

緑香の顔グラ(途中)。
な、長かった……。

あとは仕上げたり表情増やしたり。
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