何故?
何故なの?
何故敵であるはずのしかも一番苦手な彼女が私の家を知っていて、私の目の前にいるのだろう。


ああ…
これは夢なんだわ。


ジョディはドアを締め、自分の頬を叩き、またドアを開ける。


しかし、そこには変わらずその人物がいる。


ジョディはまたドアを締め開けてを繰り返している。


「さっきから何をしているのかしら?」


「夢かと思って。」


「あら、そんなに私を好きでいてくれたのかしら。」


「逆よ。それより、何故貴女が私の家を知っているのかしら?」


「あら、忘れたの?私は前一緒の職場で働いていてデートまでしたじゃない♪」


ジョディは小さくため息をつく。


「で、私に何の用なのかしら?」


「愛の告白をしに」


「寝言は寝てから言うものよ?」


「あら、本気よ?」


ベルモットはジョディを壁へと追いやる。


逃げようとするが手で塞がれてしまう。


「あら、逃げられると私余計に萌えちゃうのよね。」


「良い趣味ね。」


「あら、ありがとう♪」


「誉めてないわよ。」


「知ってるわよ。」


「っ!?」


気づいた時にはベルモットの顔が近くにあって唇が重なっていた。


「は…っ!!」


ジョディはベルモットを思わず突き飛ばす。


「な、何をっ」


「好きだからって言ってるのに聞いてくれないから。」


「なっ!?」


「まあ、片想いなのは分かっているわ。貴女が好きなのは赤井秀一ですものね。」


「知っててわざと…」


「自分の欲望に忠実なの。」


ベルモットはニッコリ笑い「またね」とだけ言い残し去っていった。


「なんなのよ…」


ジョディは呟きまだ熱が残る唇を指でなぞるのだった。



END
(例え片想いだとしても…)