苛々した。
何故、その境遇にただ蹂躙されるがままなんだろう。
立ち上がるだけの手筈も、力もある筈なのに、
「奴が、手引きしたんだ!俺達じゃねぇ」
僕らが幾ら尽力しても、彼らは変わらない。保身の為に彼らは僕を売ったのだ。
仮初めの平穏は長くは持たないだろう。
誰もが強い訳じゃない、そういった彼女はとても強い人だ。
こんな時にも恨まず、彼らを許すのだろうか。
僕は、弱い彼らを許せない…!
この激情すら弱さだというなら、僕はどうしたらいい?
裏切られた悲しさや遣る瀬なさ怒り、どこに向けたらいいんだろう。
涙が止まらない。息が出来ない。
それでも生き延びる為には走り続けるしかなかった。
**マーテルは神聖化されてるけど、本当にそうだった?
裏切られたミトスは何も思わずにいられた?
理想を信じて、裏切られるってどんな感じなのかな。って考えてた。