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それぞれの技




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マルー達が初めて魔法を発動させてから約1時間後。




「ラクライっ!」

 ちゅビンっ!


「タツマキっ!」

 シュぴャン!




「すごいわ! もうその魔法は完璧ね」

「ホントに!?」

「詠唱した時にぱっと出るならもうモノにしたっていう証よ」

「やったー! 僕達、マスターしたんだねー♪」

「うん!やったね!」


マルーとリュウは軽快にハイタッチして喜んだ。



「でも本来の目標は技の完成よ」

「そうだったね!」

「今ならすぐ技が出せそーな気がするー」

「やった!やっと武器が持てるよ♪
 私は(フェニックス・ロード)で、リュウは風の技。頑張ろう!」

「おー!」


二人はそれぞれの武器を持ち、技の練習を始めた。




「さて。まず私は剣にフェニックスを宿さなくちゃ」


マルーは片手で剣を持ち上げ、「来いフェニックス!」と叫んだ。



しかし、
剣には何も反応がない。






彼女は言い回しを少し変えて何度もフェニックスを呼んでみたのだが、剣は全く反応をみせなかった。




「ダメだぁ何も反応しない。魔法の神様なら、さっと力を貸してくれたのに…」


「出来たーーーーーーーっ!!」

「 ?? 」


声のした方へ振り向くと、リュウが笑顔で高く飛び跳ねる姿があった。



「どうしたのリュウ?」

「マルー見てー♪」


そう言った彼は槍を構え、刃が上になるように槍を大きく振り上げた。

その瞬間、風が刃に絡み付き、すぐに空気の渦が出来上がったのだ。



その後彼が「えりゃあ!」と槍を降り下ろす。

すると、刃先にあった空気の渦が彼の前方へ飛び出し、
的に一つの大きな切傷をつけたのだった。




「…すごい。すごいよリュウ! カッコイイ!」

「えへへー♪」


「見えたわ!」

「わ!!びっくりした!」

「何が見えたのー?」

「名前よ。今さっきリュウが完成させた技の」

「へぇ!」

「どんな名前なのー?」

「はっぴょうします!
ダララララララ……」


二人がつい息を飲む。




「…ラララララっダンっ!
 槍から放たれた風の刃! ってことで、(エア・ブレード)!!」

「おーっ☆」

「その名前カッコいい〜♪ 使っていいー?」

「その為に考えたのよ。是非使って!」

「わーい!これで僕の技は完成!
 マルーはどおー?完成した?」

「ううん。魔法をやった時のポイントを押さえてやってたんだけど、どうも上手くいかなくて」

「ピンチにならなきゃいけないんじゃなーい? その技が出た時は、いつでもそうだったでしょー?」

「ピンチになるって言われても…。
 ピンチピンチ、誰か助けて、誰か私を守ってー…」


マルーはぶつぶつと言い出したその時、遠くから聞き慣れた声がした。



「見つけました! レティさーーーーん!」

「おーいマルーっ!」


三人が振り向いた先には、リンゴとフロウの姿があった。



「二人共突然どうしたの?」

「マルー聞いて!大変なことが起きたの!」

「大変なこと?」

「なーにそれー?」

「とにかくほんっとーーーーーーに大変なんですよ! えっと、何が大変かと言いますとねっ! えっと!あの!」

「落ち着いてフロウ! 一体何があったの?」



あまりの慌てっぷりのフロウを全力で落ち着かせるレティ。


フロウは呼吸を整えてからゆっくりと話しを始めた。




「あの…、いないんです」

「いないって、誰ー?」

「…まさか、リックとボール?」



レティがそう問いかけたが、フロウは何も答えずにうつむくだけであった。


リンゴがすかさず説明にはいる。



「あたし達、図書館に行って二人を探したの。でも居なかったから校舎と学園寮をしばらく探し回って、それでも見つからなかったから今度は学園の門番さんに聞いたの。だけど今日の下校のピークからあたし達が来るまでは、男の子の出入りはなかったって言ってて…。
 ねぇマルー。この辺りで二人を見かけたとか、声をかけられたとかなかった?」

「ううん。ないよ」

「そう…」

「あわわわわわ…どうしましょうレティさん!!もしこのまま見つからなかったら」

「この時間帯に彼がいないなんて日常茶飯事じゃない」

「ですけど!今は行方不明事件というものがあるんですよ! もしかしたら、その事件に巻き込まれてるかもしれないじゃないですか!!」

「…リックに限ってそんなことはないわ。すれ違いじゃない?」

「そうでしょうか…。
 とにかく心配でならないんです! 私、もう一度探してみます!」

「あたしも行くわ!マルー、リュウ、レティ、もし二人に会ったら知らせて!」


こうして、リンゴとフロウはマルー達から離れ、二人を探しに行ってしまった。



「行っちゃったねー」

「そんな焦ることじゃないわよ。どっか行っちゃうなんていつものことだし」

「でも僕、心配になってきたよー。やっぱり事件のこともあるし、僕達も探しに行った方が、いいんじゃなーい?」

「大丈夫よ!!その内帰ってくるわ」

「そうかなー?
 ねぇマルー、どうするー?」


マルーは少し考えてから答えを出した。



「…探しに行こう」

「えっ!? 技の練習は?」

「本当に行方不明だったら大変だもん。だから探しに行く!
 リュウ!行こう!」

「ほーい!
 レティはどうするー?」

「どうせお腹空いたーとか言いながらひょっこり帰って来るわよ。寮で待ってるわ」

「そっかー。ならマルー、行こー?」

「うん!
 それじゃあレティ、また後で!」



こうして、
マルー達の学園捜査が始まった。





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