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「はああっ!」 ばづずン!


「クロス・ウィング!」 ひゅシュぴユン!



マルーとアスカは、見えない壁を突き破ってから、壁の先で潜んでいた、赤い眼光を持つ敵達をひたすら蹴散らしていた。

二人がいくら武器を振ろうとも敵は減らず、そればかりか、気配は一層増えているような気がしていた。




「アスカ〜!無事〜!?」

「ご心配なく!マルーさんは、道を空けることに専念して下さい!」

「分かってるけど、このまま続けてたって!」


マルーとアスカは背中を合わせる。


「敵は増えてくばかりだよ!」

「……向こうへ行きましょう!」

そうアスカが言ってから一声。二人が侵入した位置から右側に向かって、技を繰り出した。







「……無駄なことを」


どこかで、二人の様子を見つめる者が一人。


その人物が手を一振りすれば、後ろから数匹の黒い狼が現れる。


「さあ。どこまで耐えられるだろうね」




マルーとアスカは、ひたすらに敵を倒し、ひたすらに進行していたのだが。



「はっ! がづん!! …あれ?」

マルーは何度も剣を振るうのだが、振り切る前に硬い音が鳴り響いてしまう。



「マルーさん、どうされましたか?」

「…先に進めないみたいなんだ!」

「行き止まりということですね」

「そんな!」

「マルーさんはそのまま、行き止まりに向かって攻撃していて下さい! 私は敵を食い止めます!」


そう言ってから、アスカはマルーの方へ向くことなく敵をなぎ倒し続けた。


「……よし!」

マルーもアスカに背を向け、行き止まりを拓くべく攻撃を始めた。



─━─━─━─━─


その頃、
カゲの手下である兄弟の「弟」を気絶させたボールは、妖精と共に牢屋を壊す作業を続けていた。



その中で一人。




「(僕は、助けられてばっかりだ。 植物のお化けに捕まった時も、黒い亡霊に叩きつけられた時も、化け物になっちゃった先生にやられた時も、みんなが助けてくれたから…。
  だからこそ、強さを掴みたかった)」


  なのに―

 命を守れなければ、
  約束すらも守れない―



「(こんなにも情けない僕なのに、…ボールは言ってくれた。
  僕は、ボールに、レトちゃんに、ラトちゃんに、閉じ込められている妖精のみんなに、力を与えているんだって…)」



 ―見守ること
  しかしないのか

  みんなに力を
    与えるのか―



「…僕に……出来るというなら!」


「 !! リュウさん!」
「リュウ!」


「りゃああああ!!」

 ギベグ――ッ!



「……やりました!お母様お父様!早く兄妹達を連れて!」


リュウが力一杯振り下ろした槍の一撃で、ラトとその家族を閉じ込めていた牢屋をへし折ったのだった。



「本当にありがとうございます!」

「やっぱりわたしがみとめたヒーローだもん!ラト姉達を助けるって、思ってたよ!」

「ラトちゃん、レトちゃん…」

「さすがだな。 いつもリュウは拓いてくれる。何かに道を繋いでくれるんだ。俺、それがリュウのすげーとこだって、思ってるぜ」

「ボール……」

「自信持ってこうぜ!リュウにはあるんだからさ、強いもんが!」


リュウはうなずき、ボールと共に残りの牢屋を破壊しに行った。


─━─━─━─━─

そんな中で密かに、危機迫る状況があったのだった。




「…アスカ……」


暗闇の中で行き詰まっていたマルーとアスカ。マルーは道を切り開こうと剣を振るい、アスカはマルーを守るように黒狼と戦っていた。


「(このままでは……)」


いくら蹴散らしても絶えることを知らない黒狼に、アスカは迫られる。

背水の陣である。




「(何とかしてこの行き止まりを壊さなきゃ。そうしないと、アスカが危ない!)」

マルーは改めてフェニックスソードの柄を握りしめた。




刃に神々しい光が宿る。

その光が強くなるほど、黒狼がアスカから離れていったのだった。



「……眩しい…」

「ひらけぇええええっ!!」

マルーが行き止まりと真っ向にぶつかる!

その衝撃は、行き止まりとマルーの間で響いた破壊音と共に外側へ走った!

近辺にいた黒狼達が吹き飛ぶほどの衝撃の中を、アスカは顔を覆い、膝を付きながらしのぐ。



「あれが…五大戦士の……」


彼女は目を細めながらも、マルーがいる方向をしっかりと見つめていた。


「困難を打ち砕く、力」

─━─━─━─━─




 どバッご――!

「ぐっ!」
「わうっ!?」

「何事ですか!?」
「とばされちゃうよラト姉ーっ!」



ボールとリュウが作業をしているほぼ真横を、破壊音と衝撃が通った。

その衝撃は、妖精達が閉じ込められているオリまでも吹き飛ばす。



「いきなり何なんだ…」

「オリが簡単に壊れちゃったねー」

「…みなさんは無事のようです、リュウさん!」

「良かったー。
 妖精さんはみんな、無事だってー」

「にしても、何て威力なんだ全く」

「一体だれなの? みんながぶじじゃなかったらどうやってせきにんとるわ……ああっ!!」


レトが叫んだことでリュウとラトが、リュウが移動したことでボールが、爆発音がした方へ目をやると。








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注釈:こんな展開ではありません

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