吐きそう













バイト終わってから
じゅんやさんたちと
一緒にいた


昨日はバイト終わり
パンダさんと
シゲちゃんと
かねぴょんと
呑んでた


帰り
パンダさんが
バイクの後ろに
乗せてくれて
うちに送ってくれた


うち来る??

的な展開になりそうだったけど
ならなかった


結局うちの目の前まで
送ってくれたけど
バイク降りてからも
パンダさんは
まだなんだかそわそわしていて
落ち着かなかった


パンダさんが
いまいち何がしたいのかわからなくて

何がしたいの??

って聞いたら
誤魔化された


うちにおいでよ

って誘われた方が
まだ何がしたいのか
わかりやすいよ

と言うと

「ぢゃぁ来る??…なーんて」

と返された


それから
あたりざわりのない
駆け引きまがいな
会話を繰り返したけど
結局めんどくさくなって
普通に帰った


帰ってからパンダさんから電話がきた


「自転車駅に置きっぱなしでしょ??明日出掛けるなら家近いし朝送ってくから電話ちょうだいよ」

そんなことを言われた


いよいよ
この人の目的が
わからなくなって
やや怒り気味に

人は他人に対して
見返りなしに
優しさを向けない生き物だょ

パンダさんとは
まともに話したのは
今日が初めてだし
そんなに優しくされる
筋合いないから
結構です


と伝えて電話をきった



そんなわけで
今日は参っていた

バイト中に
じゅんやさんがやってきて

「路上ライブしてたら知らないおじさんに5000円貰っちゃった。牛丼食いにいこ」


アタシは
何にも言わず頷いた




バイト終わってから
じゅんやさんのもとへ行くと
シゲちゃんと
ヒデキさんがいた


四人で松屋に行くと
ご飯を食べた


そのあと
じゅんやさん家に行くことになり
ヒデキさんとシゲちゃんはヒデキさんの車を取りにいった


じゅんやさんとアタシは
自転車だったから
別ルートで
向かった



もうそろそろ
じゅんやさんたちの
ところに
通うの辞めるかもしんない


そう伝えると
じゅんやさんは
えーなんで!?
と驚いた


もともと
女の子が苦手なアタシは
女の子と合わなくて
一カ所の場所に留まれない性格なんだ


だから男の子といるのが
一番楽なんだけど
男の子は男の子で
アタシを男の子として
見てくれないから
それはそれで居心地悪くて…


で、じゅんやさん達といるのは
すごく居心地いいんだけど
やっぱり最近ノイズ(ツルさんとかパンダさんとか)が出始めたから
良くないなって
思って



そう言うと
じゅんやさんは
それは仕方ないな
とつぶやいた




本当はそのノイズに
翻弄される気がして
そうなったときの
自分が嫌だった


ただでさえ
ゆうじクンとは
会えない日々で
そのことに
ストレスを感じてるのに
昨日のパンダさんより積極的なのが
現れたら
アタシは身を委ねてしまいそうな気がする



そうなったら
もう坂道を転がりおちる小石みたいなものだから
恐ろしい


何年か前に
逆戻りだ






じゅんやさんの家の前に到着すると
四人で立ち話をした


携帯を見ると
ゆうじクンから
明日九時に起こして
とメールが入っていた



アタシは
ゆうじクンにとって
目覚まし時計なのかな
って思うと悲しくなった


泣きそうになるのを
堪えてると
じゅんやさんが

「まゆみちゃんは自分の悪い癖は見限っちゃうところって言ってたけど、見限っちゃうのは彼のせいだからね??まゆみちゃんみたいなタイプは相手が悪くても自分が合わせられないからだって自分を責めちゃうタイプだから気をつけて」



じゅんやさんの言葉が
ぐりぐりと
胸をえぐった



そう


本当にアタシは
そのタイプだ


だから都合良い


向き合ってるようで
向き合ってない


帰るね


そういうと
三人を後にして
自転車を走らせた



テストだから


テストだから


アタシは
何回か
口に出してそう言った



テストだから


テストだか…




刹那
吐きそうになった




泣くに泣けない

甘え方とか
頼り方とか
よくわからない



寂しい


ただ単に



本当は
パンダさんでも
良かったんぢゃないか



なんでも


なんでも


ぢゃぁ
ゆうじクンぢゃなくてもいいのか



寂しさを埋めてくれるなら


そんな自分が嫌だった


自分が嫌だ


自分が


頭痛が警鐘みたいで
自転車が
漕ぎつらかった