Rainbow



2017.8.17 Thu 00:59 :小説(サンゾロ)
paradise season(サンゾロ、5周年記念小説)※フリー


夏島は、どんな時も暑い。
島に見える雲は入道雲。

ログは4日でたまる。

いられる期間は3日。
ならば。

「遊ぶぞー!!」

率先して、浮き輪をつけて海に行く…海に嫌われし悪魔の実の能力者。

「あんま沖に行かないでよ!もし何かあったら助けられないわよ!」

非能力者の航海士は叫ぶ。
それを苦笑して見ているコック。

「びっくりプールで泳いでても、やっぱり砂浜で見える海の方が楽しいもんだな」
「でも、それで溺れられても困るわよ!サンジくん、何かあったら対処してくれるの?」
「ナミさん、アイツ等も其処まで馬鹿じゃないでしょ?」

コックのサンジと航海士のナミはそれなりに、心配をしているのだ。
が、そんな事もお構いなしである。

しかし、其処に剣士が…能力者達に釘を刺しに来た。

「おーい、お前等!溺れたら明日明後日は船で釣り当番だぞ!100尾釣れるまで海に入るの禁止だって約束だぞ?」

彼との約束は絶対。
クルーの鉄の掟だ。

「「はーい」」

渋々、といった感じではあるが…能力者二人、ルフィとチョッパーは戻ってくる。
それを満足そうに剣士…ゾロは眺める。

「いやー、お前って便利だね〜、ルフィのストッパー役に」
「でも駄目よ。ゾロって余程の事が無い限り、ルフィの意思最優先なんだから」

サンジとナミはそんな様子を微笑みながら見る。

「……」

それを、つまらなそうに…ゾロは見遣った。


フランキーが、スイカを持って来て…スイカ割りをしよう!となって…スイカ割りをやりたいお子様メンバーがそちらに集まっている時。

ゾロは、ぼんやりと…水平線を眺めていた。

「どーした、毬藻ちゃん?」

それを気にしたサンジは、おどけた様子でゾロに話しかけた。
するとゾロは。

「船の上の海と、陸の海は…全く違うよな…」

微笑みながら、水平線の先を見つめていた。
そんなゾロの視線が、何となくサンジには妬けて。

「なぁに?見てて楽しい?俺が近くにいるのにぃ〜」
「…おう。見てみろよ、水平線が、綺麗に金色に輝いてる」

陽は高いが、確かに水平線は金色に輝いて見えた。
それがどうした、とサンジは言いたげだったが。

「お前みたいだ」

金の髪の輝きに、真っ青な瞳の海の色。
続けてそう言われて、サンジは思わず顔を赤くした。

綺麗に輝いている。
お前みたいだ。

どれ程の口説き文句か…ゾロは理解しているのだろうか?
否、理解はしていない。

彼はとんでもない言葉を、普段の調子で言ってのける。

それは、サンジにとって。

「ゾロ…」
「ん?」

背中から、抱き締めて。

「クソ愛してる…」

耳許で、こう囁きたくなる程で。
と言うよりも、そう囁いて。

「…バーカ」

ニヤリと笑われ、サンジは。
愛しのゴツいハニーを胸の中に抱き寄せて。

楽園の中にいる気分で、この島の季節を感じていた。


まさに、パラダイス。


END


追記に後書きあり




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