Rainbow



2017.5.26 Fri 20:50 :小説(サンゾロ)
カチンとキュンとスイートハニー(サンゾロ)

「禿げちまえ」

ハニーからの辛辣な言葉に俺はカチンときた。
はげちまえだと?
お前…お前なぁ…!

「お前、俺がハゲてもいいのか?!」

マリモ頭の可愛いハニーは変わらぬ顔で。

「ああ、むしろハゲてくれ」

等と、淡々に言うではないか!
え?何それ?俺、嫌われる様なことした?

やばい、何も思い当たらない…!

「何でそんなこと言うんだよォ〜」

俺って案外泣き虫なのよ?男前なハニーに捨てないでって泣きつく準備は完了だぜ?

恐る恐る、答えを待つと、これまた淡々と。

「そうすりゃ、もう俺以外がお前に興味なくすだろ」

いけしゃあしゃあと。
吃驚する事を言うでは無いか。

「…………はい?」
「ハゲててもグルグルでも、モジャモジャでも…俺はお前が好きだから、ハゲてくれた方が誰に取られる心配もしないですむから」

実に、真顔である。こいつは。
あー、もー…心臓に悪い。

「俺も、好き。どんなお前でも…今のツルスベなお前が1番だけど」
「喧嘩売ってんのかテメェ、よし、刈ってやるからこっち来い」
「やだよ、俺はこれがいいの」

言うと、ムスッとする。
可愛い。

「…とられたくない」

くくっ、誰にもとられねえよ。

「ゾロが嫉妬してくれんの可愛いから、このままでいるな♪」

本当に、可愛い君。

「けっ、悪趣味」

俺の胸に顔を預ける。
可愛いなぁ、襲いたいなぁ…なんつって。

「サンジ」
「ん?」

顔を胸にあてたまま呼ばれて、反応すると。

「テメェは俺のだ」

ぎゅーっと、駄々をこねてぬいぐるみから手を離さない様な子供みたいで、愛しくて。

「ハゲても太っても、モジャモジャでも、俺もゾロが好きだから」

抱き締め返し。

「俺は、お前の」

で、お前は、俺の。

愛しい、愛しい。

スイートハニー。


END



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