Rainbow



2016.12.24 Sat 03:38 :誕生日系記念物
夏空に涼(サンゾロ、チョッパー誕生日記念小説)※フリー



眩しい太陽。
もこもこの雲が浮かぶ空。

「…あちぃ…」

ばてている船医。

「夏島海域だもの。仕方ないわ」

その船医に相槌を打つ美しき航海士と。

「お前はラウンジに行ってろよ。外よりか涼しいんじゃねえの?窓開けとけば」

逞しい戦闘員。

「日陰何処かにないかなぁ?あと飲み物ぉ…」

しかし船医、チョッパーは動くのも辛いらしく…バテた瞳で、戦闘員と航海士…ゾロとナミに訴える。

ゾロは困ったように笑い。

「ちょっと待ってろよ?」

そう言って立ち上がり…ラウンジに向かった。
チョッパーはその背中を見送って、再びぐったりする。

「大丈夫?本当に辛そうねぇ…その毛皮…」
「夏毛に生え変わらないかなぁ…暑いよ〜」

ぐったりしているチョッパーの頭をそうっと撫でながら、ナミは考える。

(何かないのかしら、良い方法)

しかし、残念ながら思いつかない。
お手上げね、とナミが肩を竦めると同時に。

「チョッパー、風呂行くぞ」

何かが入った袋を持って、ゾロがやって来る。

「ふろ?何で…」
「いいから、コックが待ってる」
「サンジが??」

チョッパーは首を傾げて返事をして。
しかし、そんな事をしてる間に、ゾロは風呂に向かっていた。

「ナミ、チョッパー連れてくぞ?」
「分かったわ、どうにかしてあげてね〜」

ナミに断って、チョッパーを連れて行くゾロ。
チョッパーは空を見上げて。

「…夏の空だなぁ…」

ぼうっと呟いた。


「え?ゾロ…それの中身って…」
「おう、氷」

広いお風呂の中、ゾロはタオル一枚を腰に巻いて。
チョッパーは瞳を何度か瞬かせて。

「熱い風呂の中に」

ぼちゃん!と、お湯に溶けて行く氷を見つめていた。
その様子をじぃ〜っと見ながら不思議な面持ちで温い湯になった水面を触り。

「冷たい…?」
「そこまで冷えちまったか?ん…お、ちょうど良さそうだな」

元、湯だった液体を掻き混ぜれば…人肌より少々冷たい程度の温度になる。

「…こういう感じに、水浴びするのはどうだ?チョッパー」

背後から聞こえてくる声。

「何だ?自棄に着替えるの遅かったな、コック」

そう、その声は…船のコック、サンジの声だ。

「うっせえ毬藻。欲情しない様に色々考えながら入ってんだよ」
「変態」
「えっえっえっ!二人とも何時も通りだな!」


こんな二人のやり取りは何時もの事で、昔みたいに慌てたりしなくなったチョッパー。

そんなチョッパーに二人は。

「入るぞ?プール感覚で入れるぜ?」
「プール?びっくりプールみたいな??」
「今外でそれやっても暑いだけだろ?だから、風呂の中でな」

そう言って、二人は風呂の中へ。
そして。

「「おいで、チョッパー」」

笑顔で招く。
チョッパーは嬉しそうに…招かれた。


そんな、夏島の近くの。
チョッパーの地獄の様な気候の中の、天国の様な一日。


Happy Birthday!!Chopper!!

追記に後書




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