彷徨い雀士のブログ

第十六回麻雀大会 反省会-3 5月9日 20:19

南四局
西家
ドラ五(表示牌四)

(点数状況)
・東家:30500
・南家:12700
・西家:11100
・北家:45700

(捨て牌状況)
・東家
北812発7中四四七17八CF五三A
・南家
北白@9868(南)(九)C5中二G西白北中
・西家-自分
東9発発東西H東618西一24
・北家
北西一発白H9南21東7F五7

(ナキ状況)
東家
(南南南ポン)(九九九ポン)

(手牌)
一二三五五六六七七ABDH ツモ@

 注意しなければならないのは東家と南家。
 東家は言うまでもなく2副露していて聴牌濃厚でかなり要注意。南家も厳しい牌を東家に通しているので聴牌している可能性が十分あって注意しなければなりません。
 そのような状況で手牌は1シャンテン。@筒ツモで聴牌になりました。D筒かH筒を切ればですが。
 D筒は上家が通しており東家がA筒を切っているのでD筒はスジで通しやすくH筒は完全に無スジです。ただ自分の捨て牌にH筒があるので出和了りできません。
 つまり、比較的安全度の高い牌切って出和了りできないほぼ和了り不能な聴牌を取るか、危険度の高い牌を切って聴牌を狙うか、という選択肢になります。ここは聴牌料を取りに行く場面ですのでD筒切りすべきです。実際にミスらずD筒を切ってました。

 何故危険を冒してまで聴牌料を取りに行かなければならないかというと、オーラスで4位なんですが3位との差が1600点という僅差で、聴牌料で逆転できるからです(もちろん、自分が聴牌していて相手が聴牌していなかったら聴牌料で3位浮上、相手が聴牌していて自分が不聴なら点差は4600点に広がってしまうというのがより正確なのですが・・・)。
 いずれにせよ、3位が不聴だったときのメリットは相当大きく、この局面で形式聴牌はかなり重要になりますから、オリはあり得ない選択肢です。これはオーラス開始時の順位と最終順位との相関関係が強い、言い換えると、オーラス開始時(この局の流局を前提にすると次の局開始時点の順位)がそのまま最終順位となる可能性が高い、ということからオリはあり得ないと言うことができます。
 この状況を例に考えて見ると、自分は1600点差とはいえ4位です。1600点くらい簡単に逆転できるじゃないかという風にも考えられるのですが、実際は非常に難しくそう簡単にはいきません。これは和了率と放銃率から考えると分かりやすいです。つまり、和了率というのはせいぜい25%です(基本的に実力に大差ない人を相手にする場合は25%を超えません)。仮に高めに考えて25%と考えても残りの75%は和了ることは出来ません。次に放銃率です。放銃率は15%弱の人が多いと思います。高めに見積もって15%としても残りの85%は放銃しないわけです。つまり、自分が和了るか3位の人が放銃しない限りは自分の順位が上がることはないのですから、オーラス1局限りで自分の順位を上げることの厳しさが伺えると思います。

 直感的に分かりやすくするため具体的な数値でザックリ計算しますと、
1-{0.25+2/3(1-0.25)0.15}=0.675
 となります(※)。
 つまりこの状況でオーラスを迎えると67.5%の確率で4位が確定しまうということを意味します。計算では順位が上がりやすいような高い数値を使ったので、実際は7割を超えてくる場合が多いと思います。
 このように、100点差であっても高い確率でオーラス開始時点の順位がそのまま最終的な順位になるわけですから、オーラス開始までに順位を上げることはかなり重要になってくるわけです。
 つまり、聴牌料で逆転できる点差において形式聴牌を取るということはオーラス開始時の順位を上げることに直結するため、危険を冒してでも形式聴牌をとりにいかなければならないわけです。

 そして次巡、、、



(手牌)
一二三五五六六七七@ABH ツモB
※安全牌や安全な牌の材料は特に増えてない


 ツモB筒でH筒かB筒を切らないといけなくなってしまいました。両方とも無スジで超危険牌。ただ、上で述べたように形式聴牌は絶対に欲しいところなので、聴牌取ることを第一に考えなければいけません。なのでオリの判断は悪手。
 となると、B筒かH筒の二者択一です。B筒とH筒のどちらかというと、H筒は嵌張・辺張・シャンポン待ちに放銃することがないのでB筒に比べ安全と思われます。
 よってH切りが最善手と考えられます。


 ではここで設定を変えてみます。
 これがオーラスじゃなく東一局だった場合を検討して見ます。
 これは流石にオリだと考えるかもしれませんけどよく考えるとオリよりH筒強打が最善手ということが分かります。

 スジは全部で18つあります。
 18のスジの内、
一-四、二-五、三-六、四-七、五-八、@-C、A-D、C-F、D-G、1-4、2-5、4-7、5-8、6-9
 の14が通ってます。

 残り
六-九、B-E、E-H、3-6
 の4つが通ってません。

 スジ両面待ちを前提に考えると1/4で放銃というパターンです。

 待ちにはスジ両面以外に、嵌張・辺張・単騎・シャンポン待ちがあります。
 それらの待ちで放銃する可能性があるのが、二六@BEH356ですから1/9

 スジ両面待ちは65%、その他の待ちは35%という統計がありますから、これをこれを考慮して計算すると、
0.65×1/4+0.35×1/9=0.2
 となり放銃率20%となります。

 親の手はのみ手濃厚。1500点です。ドラが全部見えてますし、役が付いている可能性もありますがかなり確率は低そうです(計算上は無視します)。
 つまり期待支出は1500点×0.2=300点となります。聴牌したときは1500点は入ってきそうなので期待収入は1500点×0.8=1200点となります。よって聴牌を取ったときの期待値は−300点+1200点=900点となります。
 一方で聴牌とらずオリるという選択肢を選択した場合、不聴罰符1000点の支払いが待ってます(親のみ聴牌と仮定)。そうなると放銃による期待支出は0になりますが不聴罰符の支払い1000点となるので、期待値は0+(−1000点)=−1000点となります。
 よって、形式聴牌を取る期待値900点と取らない期待値−1000点で、「900点>−1000点」となり、形式聴牌を取る選択肢が有利という結論になります。

 上での検証は相当省略したもので正確性が高いものではありませんが、こういう考え方で形式聴牌を取るか取らないの判断をすることは重要であると思います(それにここまで差があると結論が逆になることはないでしょう)。
 オーラスじゃなくても海底撈月間際で危険牌を1回だけ通せば聴牌を取れるという場合、形式聴牌をとるのが有利になる場合が結構あります。
 この論点についてはいずれきっちり検証したものをまとめたいと思っていますが、ここではその基本的な考え方をかなりザックリですが検証してみました。


 ちなみに麻雀大会の結果ですが、運よく目論見どおり聴牌料1500点をゲットし3位浮上できました。
 結果はたまたま良かったですけど、運悪く放銃していても、上で検証した通り、D筒切りとH筒切りは正しい判断だと思ってます。

 今回は珍しく反省するというよりも、形式聴牌の取り方というテーマにしたかったので、この牌譜を取り上げました。





0.25=4位(自分)の和了率
2/3=3位以外の人が和了る確率
1-0.25=自分が和了れない確率
0.15=3位の人の放銃率



コメント(4)

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