大樹の言の葉

『アルモニカ・ディアボリカ』
2月25日 09:22


話題:本の感想

まさか続編が出るとは!と驚きつつ歓喜しながら読んだ。









前作のラストから
5年後の1775年英国。

愛弟子エドらを失った解剖医ダニエルが失意の日々を送る一方、暇になった弟子のアルたちは盲目の判事の要請で犯罪防止のための新聞を作っていた。
ある日、オックスフォード郊外で天使のごとく美しい屍体が発見され、情報を求める広告依頼が舞い込む。
屍体の胸には〈ベツレヘムの子よ、よみがえれ!アルモニカ・ディアボリカ〉と謎の暗号が。
師匠を元気づけるには解剖が一番!と、アルたちはダニエルと共に現場に旅立つ。

それは、彼らを過去へと繋ぐ恐るべき事件の幕開けだった。
ユーモアとペーソスに満ちた絢爛な歴史ミステリ。









※とってもネタバレありです。









前作からナイジェルって謎多き少年だなと思ってたけど、それがこんな形で明らかにされるとは思ってなかった。
普段はエドの陰に隠れたがるのに薔薇亭では妖艶な雰囲気醸しだしてるし、重大な事件に関わっていたのにエド並に平然と過ごしていたなんて、どんな人生を歩んできたらそんな性格になるのかと疑問ではあったけど、ここまで壮絶な過去とか本当…ね。びっくりしましたよ。

というかあの後エドとナイジェルが一緒にいなかったっていうのが、死んでしまった事実すらも差し置いて一番の衝撃だったんですけど。
エドストイックすぎですマジで。
男らしいけど、そういうところでばかり発揮してたんじゃ幸せになれないよ。
幸せになれよ。本当に。

今回は事件を解決するために調べ、推理考察するサー・ジョンによる視点が主で、それを補うようにエスターやアル、ネイサンらの視点が絡みます。それとナイジェルの手記がね。

閣下は相変わらず良心の塊みたいな人ですた。
なんでもかんでも買収したりされたりが当たり前な時代のロンドンじゃなく、現代にいたとしても傑物です。

ていうか読んでてこの時代のロンドン生まれなくて良かったぁと毎度思う。
みんなどんだけ腐ってるんだ。

読んでいてナイジェルの手記の部分は、やたら読み進むのが早かった。
最後のナイジェルの一文で涙しちゃいましたよ。
真相も呆気なかっただけに哀しみが増しました。

話が進むごとに着実にバートンズのメンバーが減っていって寂しい。
けど読後は寂寥感のどこかに清々しさも混在していて、なんとも表現しがたい気分です。



とりあえず前作を読んだ方にオススメ。
いきなりこちらを読むというのは登場人物が多いので難易度が高いと思います。

エドとナイジェルが並んでいる姿を心に留めたい人は読まない方がいいかな。
樹は読んで良かったと思います。













今週の金曜日は『ホビット』が公開ですね!もちろん公開日に
3Dで観ますよ!
必要とあらば
2回目の鑑賞も辞さない所存ですよ!

wktk
止まらぬ樹でした。
コメント(2)



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