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話題:創作世界披露会及び創作メモ帳
村上とのリレー小説戦国ばーじょんの話。
主人公は2重人格なのですが、その2重人格になりたての頃の話。
まだまだ不安定な頃。
主人公の従者から見た話。
「邪魔をするなっー!!」
あの人は私に向かって斬りかかってくる。
避けるのは簡単だ、だが…
*御印
あの人の下から振り上げる刃に私は微動だにしなかった。
左目に激痛。
さすがの私でも耐え兼ねて左手で傷を押さえ顔を歪めた。
「何で…」
ドロドロと馴染み深い感触と臭い。
私の血。
「仇である私を殺すのではなかったのですか?」
「何で避けなかった…」
ギロリと睨まれた。
歳不相応な迫力。
「お前なら避けられただろっ、何故だ!!」
「磋奈行様こそ、今のはどういうつもりですか?」
刃は確かに私を傷付けた。
だが、それは顔の表面だけで眼球は無事だ。
致命傷でも何でもない。
「その名前で呼ぶなっ、僕は磋奈行なんかじゃない!」
無傷なはずのあの人の方がよっぽど苦しそうな顔。
刀を握る手が震えていた。
「アナタは私の唯一の主。アナタが私に死ぬなと命ずればアナタの許可なく死にはしない」
私はクナイを手にし、自分で自分の左目の下を傷付けた。
あの人は驚いた顔をしている。
「神に誓ってー…」
血の十字架。
アナタへの忠誠の御印。
だからどうか
「私を信じて」
何をそんなに怯えるのです。
独りは怖いと泣くくせに、1人になろうと周りを拒絶する。
偶像しか信じないアナタと、どうすれば仕えることができますか?
アナタの大切なモノを奪ってしまった私がアナタを守りたいと思うのは独り善がりなんでしょうか?
まずは、アナタの隣にいることを許してほしい…。
***