2014/7/20 Sun 01:11
下拵えを惜しむことなかれ


話題:みじかいの
お久しぶりです。がうです。
殺し屋の話の新キャラさんの話です。
途中っぽいですが、雰囲気だけでも…
以下本文




俺は伊武真咲、町医者だ。
個人で小児科のクリニックを営んでいる。
人気も上々。
診察時間前に待合室は小さな子供と母親達で溢れかえっている。

「先生、患者さん入れますね」
「おう」

少し無愛想なナースはミツキ。
スカートタイプのナース服を着させようとしたら全力で嫌な顔をされたので仕方なくパンツタイプにしてあげた。

「せんせー、この患者さん採血指示あるので、先に採血しちゃいますねぇ」
「よろしく」

何もないところでつまずく天真爛漫なナースが シイナ。
ふわふわとしたイメージでとても可愛い子だ。
彼女もミツキと合わせてパンツタイプのナース服を着ている。
正直残念だ。

「はい、口を開けてぇ…、うん、いいね」

扁桃腺の腫れを見て俺は器材を使用済みに放り込む。
患者は女の子なんだが、俺がカルテを書く姿をニヤニヤしながら見ていた。

「先生の顔に何か付いてた?」

少し大袈裟に自分の顔に触れながら女の子にたずねてみる。
まぁ、いつものパターンだろう。

「せんせーはイケメンだねっ」
「そう?ありがとう」
「うん!ママが言ってた!!」
「こ、こら!」

後ろにいた母親が慌てた様子を見せる。

「○○ちゃんのママも美人だから、きっと○○ちゃんも美人になるね」
「びじん?」
「可愛いって事だよ」

親子は上機嫌に診察室を出て行った。

「よくそんな思ってもないような事ペラペラと出てきますね、先生」
「これは男の勤めかと思ってね」

テキパキと片付けと次の準備をしながらミツキは「否定はできませんね」と無表情に言う。
もう少し笑えばいいのに。

「ミツキちゃーん!少し手を貸してくださーい!!」
「またか」

奥の処置室から声が飛ぶ。
さっき採血をするとか言っていたが、これもいつも通りうまくいかなかったのだろう。
まぁ、なんとなくわかっていた。

「行ったげて、俺は1人でやってるから」
「わかりました」

いつものことすぎて挨拶をするかの如くのやり取りだ。
俺は次の患者を呼び入れた。

***

仕事も終わり、夜。
とある高級ホテルの一室。
窓の外を見る俺よりも歳上の男。

「アイツはどうしている?」
「相変わらずですよ。定期的に診てますが、切り傷程度です」
「ふん」

俺はドアよりの所に立って答える。
所謂定期報告だ。
大して変わりもしない現状を報告する。

「噂では、例の製薬会社が不穏な動きをしているそうですよ」
「あのキツネめ…」

俺が小児科医になった理由の1つ。
人の口に戸は立てられない。
特に奥様の口には。

「微力ながらお力になれれば」
「早速その噂の裏をとれ、お前の噂はよく当たる」
「ありがとうございます」

既に対策を打っているので、裏が取れるのも時間の問題だろう。
だが、今はまだ言う時ではない。
面白味が欠けてしまう。

「我が身は貴方の為に、貴方の意思のままに」

大袈裟に一礼して退室する。
俺はその足で霧山の家へと向かった。
糞爺に頭を下げて気持ちの良いヤツがいるもんか。
今後の楽しみの為とはいえ、俺も人間だ。

「優人をイジメないと気が済まない…」

憂さ晴らしは大切だ。
俺が見たいお楽しみの為に。
骨肉の争いなんて最高じゃないか!
血を血で洗うような、狭い世界の憎しみ愛。
その為にこうして中間管理職のような事をしている。
あの子の顔が憎しみと絶望に染まる日を楽しみにして…。


おわり
***
さぼっていたら村上に軽く怒られました。
7月何もしないのもな、と思い、裏で作ってたキャラの説明のような話を1つ。
色んな答え合わせは村上がしてくれるんじゃなかろうか笑
と言い残して逃げておこう。


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