どうせ滑稽な人生だったんだ
なら最後まで滑稽を貫くのも乙じゃあないか
人を恨んで妖なって、堕ちてその身にに薬草生やして人を癒し、最期は忌むべき人間であり、宿敵である陰陽師に愛される
最高に滑稽だと思わないか
2012-6-1 01:01
そんなにも意味が欲しいか
ならば私と共にこい
私がお前のいきる意味となろう
何を申しますか…
陰陽師である貴方様が、私などと!
だがお前は、私に滅して欲しいと望むのだろう
ならば私の機嫌をとるのが得策ではないか
……それは
私と共にゆき、生きよ
その力を人のため、私のために使い、朽ち果てるその瞬間まで初々しく芽吹く花でいろ
……!
これは、命令だ
私に滅してほしくば、何としてでも従って見せろ
……っ、…あなたは…、……
よいな…初芽…
……はい。貴方様の、お傍に…
2012-5-31 10:52
それから私と母、陰陽師である彼と共に行き、生きて、母は、朽ちた
最期まで、その身に芽吹く力を、人のため、愛した男のために、使い切って
こたえなど、分かり切ってはいるのだがなとこたえたわたしを、お前は優しい笑顔で受け入れた
朽ち果てるその一瞬まで、美しい笑みを浮かべて
2012-5-31 10:24
名は、ありません
生まれついた時名をもらわなかったか
人としての名はありましたが、堕ちた私が名乗るものは、もうありませぬ
あの子は私を、母と呼びます
妖怪であるわたしを、母と呼ぶのです
人間は…なんと愚かなことでしょう…
愚かで…、慈愛に満ちている…
2012-5-31 10:20