暇やー!!
‥‥‥‥‥‥すいません暇です。
今回は新キャラ‥‥‥‥‥無しですか?(
ということで追記⇒
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私たちが自由気ままにつづる日記ー! というよりブログサイト!!
暇やー!!
「待ったーーー!!!」
突然入口から響く大きな声。
「子供たちを返してもらうよ、この変態!」
そこに現れたのは、以前、この森でヴィータと会ったあの黒髪の少女だった。
「何でお前が!‥‥‥‥‥‥‥‥‥!!」
ヴィータがそう言い放った瞬間だった。
開けっ放しになっている扉の向こうから、シャカシャカと音がし、その場にいた全員がそちらを見る。
シャルドゥが「ヒッチ!!」と叫んだ瞬間、ものすごいチーズ臭とともに、巨大な名の通りねずみ色の鼠のモンスター、ヒッチが、扉の影からひょこっと顔を出した。
慌てふためく子どもたち、なかには強烈なチーズ臭にやられて、倒れてしまう子もいた。
「うおっっ!くっせ!!」ラッドが鼻をつまんでも、間に追うのかどたばたと走りまわっている。
臭いに耐え、ティーラが武器をとりだそ攻撃しようと、子供たちを追っかけまわしているヒッチに近づこうとした瞬間、後ろからシャルドゥの静止がかかった。
「だめだ!ああ見えてヒッチはかなり強いうえにずる賢いんだ。きみたちが戦って勝てる相手じゃない!
ぼくに考えがあるから、きみたちは子供たちを連れてここから逃げて!」
そういうと、彼はしゅっと腕を振り下ろした。彼の手に一瞬のうちに現れたのは、紫の光を放つ巨大なカッター。
彼の言葉にうなずくと、怯えて動けない子供たちの背を押し、開きっぱなしのドアから見える一直線の道を駆け抜ける。
後ろからは懸命に闘っているだろうシャルドゥの声が聞こえてくる。
「いったい何なの!?」
突然現れたなりに、そのまま騒動に巻き込まれた黒髪紫目の少女は、その声を聞きつけるとくるっと方向転換をしてその声のもとへと走って行く。
痺れを切らしたヴィータも、子供たちを他の人に任せると、地下奥の部屋に戻った。
そこに傷だらけで、ところどころ血が出ていてなお武器を手に、ヒッチを睨みつけているシャルドゥの姿。
「何やってんだ、逃げるぞ!」ヴィータが叫ぶと、彼は自身が危ない状態にもかかわらず、先に逃げた子供たちの心配をする。
そして彼は「ぼくがここに残ってこいつを引き付けるよ、だから君たちも早く行って。」とどなり声をあげた。
これは償いだから‥‥‥‥‥と武器を持つ手にぐっと力を込める。
とたん扉の方から響く大きな声。
「ふざけんじゃないわよ!悪いことしたってわかってるのならちゃんと生きて皆に謝りなさい!!」
いつの間にか戻ってきていたミウだ。彼女が早く!と叫ぶと、三人が扉へ駆けだす。
させるかとでも言わんばかりに、ヒッチは四人の後を追いかけてくるのに時々応戦しながらも、彼らは地上へと走る。
全力疾走で迷路、階段を駆け抜ける。地上からは彼らを呼ぶ声が届いた。
「っ、危ねぇ後ろ!」最後尾を走るヴィータのすぐ後ろに、巨大鼠が迫る。
「てやーーっ!!」
轟く声に、地上へと這い出てきた瞬間のヒッチが、ガンっという衝撃音と一緒に後方へと勢いよく吹っ飛んでいく。
自らも殴った衝撃で少し後ろの方へと飛んで、空中で一回転を決めてからニッと笑ったのは、黒髪の少女。
敵がのけぞった隙に、シャルドゥが持っていた鍵で、今来た扉を封印する。
巨体が壁にぶつかる音と、大きな振動で家が揺れた。
「‥‥‥‥‥‥じゃあ、アクアタウンに戻らないとな。」
音が途絶えた建物を背に、五人が歩いていく。
────「ありがとうございますじゃ、事件を解決して頂いて。」
すっかり元気になった様子の町長が、ヴィータ達に礼をする
この事件のお方の事情は、先に帰った三人が先に説明をしておいてくれたらしい。
話によると、シャルドゥの処分は、怪我が完全に言えた後になるそうだ。
「それと、あなた方の船の事なんじゃが‥‥‥‥」
遠くにいたアプリーレ達が、老の言葉を聞いて近づいてくる。
これもヴィータ達が帰ってくる前に言っていたらしい。
「‥‥‥‥遠くに行ける船はここにある漁船をちいとばかし改造すればどうにかなるんじゃが、‥‥‥問題は船乗りがな‥‥‥‥‥」
爺やは口どもり、周りにいる男たちと目を合わせる。
「こいつは船乗りなんじゃが、いかんせん妻子持ちなんじゃに、家をほおっていく事は出来んじゃろ。」
はあ、とため息をついた。
「町長、その仕事あたしにやらせて!」突然後ろから響き少女の声、ミウだ。
しかし、「駄目じゃ、女子には危険な仕事じゃし、カイトの事はどうするのじゃ」
厳しい町長の声にもたじろぐことをせず、彼女は真剣なまなざしで言う。
「あたしだって船乗りの試験は全部合格した!カイトは────」
そう言うと、彼女は俯いてしまった。
しかし、そんな彼女のもとに、カイトが近づいてくる。
「別にオレはねーちゃんがいなくてもへーきだぜ、っつかねーちゃんなんて船乗りとしてすぐ追い抜いて世界中‥‥いや、宇宙を駆け巡ってやるんだ!だから、行って来い!!」
少年はそれだけを言うと、走って家へ帰って行ってしまった。
町長、と嬉しそうな顔で言うミウに堪忍したのか町長は、ヴィータ達の方を向き、「ミウをお願いしますぞ」、と礼をした。
次の日、7人が港へ出てみると、そこには周りとは少し違う色に、水色に塗装された褐色の船が、ゆらゆらと鎖に繋がれていた。
「皆さんおはようございますじゃ。この船が村の衆が一晩漬で改良を進めた、『シールプ号』じゃ!」
一部を除いて、全体から「おぉ!」やら「すげぇ!」などの歓声が上がる。
港と船を結ぶ桟橋を踏み、ピカピカに磨かれた船に足を入れるティーラ。なぜかくるくる回りだした。
向こうで、町長がミウに船の操作法、管理法などを指南している。
「すげぇなー‥‥‥」船の横で五人がそのシールプ号を眺めていた。
「じゃあ私はそろそろ行こうかな?」と手にグローブをきゅっとしめた黒髪の少女が言う。
もうそろそろ家に戻らないと怒られちゃうしね、と彼女は笑うと、後ろからかかる待ての言葉を聞かずにまた走って行ってしまった。
「はぁ‥‥‥、まあいいですわ。次の目的地の事を考えましょう。」
アプリーレはそう言うと、鞄からウルドで貰ったワールドマップを出す。
「次の目的地のスクルドはここの北西。ここから少し南へ行って西にずーっと進んで、あの浜に着陸するのがいちばん近いルートですわね。」とアプリーレが、地図を指差しながらルート確認をしている。
向こうから話を終えてやってきたミウに、ルートを説明してから、七人は船に乗り込むのだった。
「じゃあ行ってくるわ町長、カイト!」ミウが舵を握りながら、片手で見送りに来た人々に手を振る。
大勢の人に見送られ、一行は船でこの大陸を後にするのだった。
性 別 | 女性 |