「…眠い…」
お昼寝日和の今日この頃。
木陰にもたれていれば眠気は襲ってくる。うたた寝状態の姫。
(寝るものか…寝るものか……?)
「…ウサギ…?」
目の前には白いウサギが歩いていた。
(え!?あれ二足歩行してないか!?!?)
「おいウサギ…お前…」
「はい。何でしょう?」
「…空耳か…?」
「あの…お嬢さん?」
「空耳じゃないみたいだな…なんで二足歩行してるんだ?あとなんで話が通じる?」
「?ウサギですから当たり前ですよ。」
「はぁ?」
(何言ってんだこいつ。睡魔に負けて夢でも見てんのか?それでしか説明できない…。あーもー意味が分からん!!!)
ぐぅ〜っ
「…じゅるり…」
ビクッ「ひぃっ!!!まっまさか…」
「ウサギさぁ〜…もうちょっとこっちよれや…」
「!いっいやですぅ!!!」
「あっこらまて!!逃げるな!!!」
「ひぃ〜〜っ!!!!」
(絶対アイツ食ってやる!!!丸焼きにして食ってやる!!!夢でも腹は減るんだな…)
「まて!!!別に食わないから!!!」
「絶対ウソだぁ〜!!!;;;」
ひゅ〜ん…
「うわっ!!!なんだこの穴…」
白兎はもう見えないところまで落ちていった。
石ころを投げてみてもまったく音がしない。間違えて入った訳じゃないみたいだ
「…えいっ」とっ
ひゅ〜ん
「ぎゃあぁあっ……あぁ?」
バサッ
スカートがパラシュート状になってゆっくりと落下している。
周りの景色が変わり、家具や本が散乱して浮いている。
「…誰の部屋だよこれ…白兎のか?夢ってすごいなぁ…」
周りを見ているとスカートのバランスが悪くなって急降下した。
「いてぇっ!!……さっき浮いてなきゃ俺粉々だったろうな…恐ろしい…」
落ちた場所はピンクと白のダイヤ型の模様が規則正しく並んで構成された部屋だった。その部屋の先に小さいドアがあった。
「ウサギは此処を通ったんだな…よし!」
「やめてくれ!そんなに大きくちゃ入れないぞ…」
「おっドアノブが喋った。」
「当たり前だろドアノブなんだから。」
「はぁ…またこれか…」
「小さくなればいい。そこの机の上に瓶があるだろう?それを飲めばいい。」
「…"私を飲んで"…か…物好きだな」ごくり
姫は見る見るうちに小さくなって3センチくらいの大きさになった。目の前のドアも余裕で通れそう。
「やったぜ!さぁ早くそこを通させろ!!!」
「言い忘れたけど…テーブルの上に鍵があったんだ。」
「何ぃ!?先に言えよそれ!!」
テーブルは姫の何十倍くらいの高さがあり、とても届きそうにない。よじ登ろうにも途中で力尽きてしまう。
「あーだめだ…畜生!!…ん?なんだこれ」
姫が何かの箱を見つけると、中にはクッキーが入っていた。
クッキーには"私を食べて"と書いてあり、直感で元の大きさになると思った姫は、二・三枚パクパクと食べてしまった。
「あっそんなに食べたら!!!」
ぐんぐんぐん…
「なっ…なんじゃこりゃあ!!!??」
部屋の天井に突っかかるくらい大きくなってしまった姫。
ドアなんか絶対に通れはしないだろう。
次第に姫の目から涙がこぼれ始めた。
「小さくなったり大きくなったり…疲れたぁ…もう腹へりすぎで動けねぇよ〜…」
「泣くな!涙が溜まってくるだろう!!コラ!!…ごぼっ…泣くな!…ごぼっ」
「ん…あれ…体が縮んできた…ってぎゃーっ!!」
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姫は涙の海に浮かんでいる小瓶(今は小さいから巨大な瓶)の中にすっぽり入ってしまった。
そのまま小瓶は流れ、ドアノブの口の中を通過し、ドアの向こう側にまで流れた。
「…なんか…結果オーライ!!GJ俺!!!」
流れ流れ、何処にゆくのか分からず流されるがまま。
すると、後ろからドードー鳥が木の枝に乗り、他の鳥が飛びながら木の枝を押して進んでいる奇妙な光景だった。
・・・next?
次は誰だっけな…←