「うわぁ、カラフルだ」
「マーカーとやらを使ってるらしい」
友人の言葉に感動しながら、眼前のガラスケースに保存してあるノートを見つめる。
数式が記入されているので、算数のノートだろうか。
それにしても、文字がにじまずに色をつけるなんて、どんな技術を使っているのだろうか。
「工学科が研究中らしいな」
友人がガラスケース下にあるプレートの説明文を眺めていた。
感動してはいないらしい。もったいない。
「これ、再現できたらすごいよな」
「フォアが起きてるほうがすごいが」
ため息が届くが無視する。
睡眠は健康に良いって習ったし。良いのだ。
「いつか使ってみたいなぁ……マーカー」
「第三次世界大戦の前の遺産らしいからな。再現できたら大ニュースだ」
「そうなると面白いね」
「……そうだな」
なぜか肩をすくめるし。
面白いと思うんだけどなぁ……。



終わり