もはや修理もできない状態の車を「全損」と言いますが、実際に全損には2種類の意味があります。


ひとつめは言葉のイメージ通り大破した物理的全損で、あとひとつは修理費が車両保険で賄えない状態になってしまった経済的全損です。


事故などの際、車両保険から支払われる額は、加入時に決まるのではなく市場評価額ベースで変化していきます。


自動車保険を扱う会社はJAAI発行の冊子をベースに市場の相場を把握しています。


しかしながら完全というわけではないでしょうから、相場と違うのではと思ったら、実際例を示して交渉してみるのもありです。


ボディにキズやへこみがある場合には査定額が下がるのが普通です。


だからといって、査定額がマイナスにならないように事前に自ら直そうとするのはあまりお勧めできません。


自分でキズやへこみを直したといっても、その修理に要した経費より多く高く見積もってくれる保証はないからです。


個人修理しようとするよりも、中古車を実際に買い取った後で、販売店から提携先の業者に修理をお願いした方が修理費用を低くできてしまうから、買取金額をアップしてくれる可能性は低いのです。


これから車を中古車として売るならやるべきことというと、少なくとも2つあると思ってください。


ひとつは査定サイトなどを活用して市場動向を把握することが大事です。


自分の車の価値をだいたいでも把握しておかないと、もっと高値で売れたのにとあとから後悔することもないわけではありません。


机上調査と対照的に体を動かすこととして、次は掃除です。


つい外側に磨きをかけてしまいがちですが、どちらかというと力を入れたいのは車内のほうです。


内装に付着しているニオイのもとをとっておかないと、査定士はマイナスチェックをしますし、使用感のある車は好まれません。


業者によい評価を得るためにも査定前には、洗車をしておくのが基本です。


査定を行うのは人ですから当然、ドロドロに汚れた車などより丁寧に洗車された方に良い点数をつけたくなるというものです。


そもそも車が汚れていては、小さな傷の確認などができず、それが響いて査定額のマイナスにつながるかもしれません。


また細かいことですが洗車に際してはタイヤまわりなども汚れを落としておきましょう。


その程度も関係してくるので一般論ですが、煙草の臭いが車内からするときにはマイナス査定になります。


喫煙の形跡がある車というものは、タバコを吸わないユーザーには売ることは至難の業だからです。


これらのたばこ臭さの元凶になっているのは、ヤニ汚れで、その車のどこかに付着しています。


売却する前にその車を一生懸命に掃除してあげれば、かなりの部分でタバコ臭を軽減できるはずです。