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三日前までは(浜泉) まずい、と思い始めたのは10分ほど前のこと。帰ろうと2人で自転車置き場に向かった後、何となく話が途切れないまま成り行きでずるずると話し込んでしまったが、結局面白い話題も尽きてしまった。しかし帰ろうと言い出すタイミングも逃してしまったため、仕方なくフェンスにもたれかかって、何とも言えない沈黙のまま明後日の方向を見上げている。 「危ねっ」 不意にバランスを崩し急旋回しようとした自転車の前輪を、その持ち主である浜田が慌てて足を出して止めた。それから自転車を倒れないようにそっと立て直すと、先ほどまで居た場所に再び戻ろうとしたようだった、が。 (さ…っきより近付いてない、か?) 心なしか2人の間に存在していた距離が先ほどよりも短くなっている気がする。気のせい、ではないだろう。しかも、距離が近付いたことを自覚すると同時に、たった今自分がいつもとは比べものにならないほど緊張していることにも気付いてしまった。普段の浜田に対する冷たさを大いに含んだ態度の延長なのか、はたまた強がりな性格のせいなのかは定かでないが、ともかくこの緊張は浜田にだけは決して気取られたくない。しかしその想いとは裏腹に、少し体勢を変えた浜田との距離は更に縮まってしまった。緊張に緊張が重なって心臓が大きく動き、その上尋常でない速さで鼓動している気がする。せめて既に顔に集まってしまっている気がするこの熱が冷めるまでは、こちらを向かないで欲しい、頼むから。 三日前までは (普通に話せていたのに!) ‐‐‐ 久々すぎる更新ですみません…! 近々サイトに関してお知らせをする予定でいます。 てゆか書きかけの浜誕どうしよう…orz
2010.3.21
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泉誕!(浜泉) 「おめでとう」 誕生日、と付け加えられそこでやっと合点がいった。登校した途端机に山盛りの菓子と対面したのもきっとそのためだろう(恐らく三橋と田島だ)。 「忘れてた」 「自分の誕生日なのに?」 「…そんなもんだろ」 浜田の驚きを含んだ声がなんだか小馬鹿にされているように聞こえたため、反発の意味を込めむすりとそっぽを向いてやる。 「なんだよ、拗ねてるやつにはやらねーぞ」 そう言った浜田がカサカサと音を立てて鞄から取り出したのは、どこかの女物の洋服店の袋(前の彼女か誰かからもらったものだろう。レジ袋を集めるのは主夫のようなこいつなら納得がいくが、その袋を恋人の前で使うのは正直頂けないと思う)。 「……開けていいの?」 「もちろん」 言われるままにピンク色の袋の奥へ手を差し入れてみると、ふわりとした温かい感触が指先に当たった。 「…マフラー!」 「お前、去年買ったばっかだから新調する気ないって言ってたろ」 だから作ってみた、と浜田は得意気ににっこりと笑う。柔らかい毛糸で編まれた空色のマフラーは、手先が器用なだけあって市販品にも引けをとらない出来だ。 「気に入った?」 聞かなくても答えなんてわかっているくせに。恥ずかしいから言うつもりはないけれど、せめて礼だけはと思い小さく「ありがとう」と呟いた。それで満足したのか、今度は膝を折り曲げて俺の机に顎を載せる。周りに聞かれたくない話なのか、少し小声になった。 「でな、今日どっか食いに行こうぜ」 プレゼントを手作りした分ちょっと余裕あっから!小さく、でも楽しげに言う浜田を見ながら不思議だなと思った。こいつが、あのピンクの袋の店で洋服を買った誰かではなく野球馬鹿な自分の隣にいて、こうして誕生日を祝ってくれている。それだけで俺は泣きたくなるくらい幸せなんだということを、こいつは知っているのだろうか。 「いいよ別に、そんなの」 それよりお前んち行きたい。この答えを浜田は遠慮だと捉えたのか不服そうにしていたが、遠慮なんかではなくこれは本心だ。いつも言葉足らずすぎて伝えられていないけれど、本当にちゃんと好きなんだということを今日くらいは言葉にしてみてもいいかもしれない。浜田と放課後の約束をしながら、何と言えば喜んでくれるだろうと考えを巡らせていた。 上手く言えないかもしれないけれど ーーーーーーーーーーー 泉おめっと! ギリギリ滑り込みセーフでした(笑)
2009.11.29
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鈴木兄弟(友障視点) まさかあの双子が“そういう仲”だとは思ってもみなかった。 (まあ…確かに前から異様に仲良いとは思ってたけど) 別に、あいつらがホモで近親ソーカンだったところで俺は友達やめるようなことはしないし、そもそも偏見なんか持ってないから、関係ないと言ってしまえばそれまでなんだけど。 「…部室でイチャつかれっと困るんだよな−」 そう独りごちると、仕方なく部室に荷物を置くのは諦め、そのまま帰ることにした。 誰にも言わない (とりあえず、メモはしないでおくよ)
2009.2.14
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(浜泉)社会人 「もう甲子園の季節なのか。ついこないだまで俺らも高校生だったのにな」 何か変な感じだよな、と言って浜田はTVの前で薄く笑った。 「お前の人生のピークだな」 少し離れた所から意地悪く泉が呟く。 「何だよ、あとは下降だけかよ!」 浜田は憤慨する素振りをしながら笑って、それからもう一度TVの方に向き直った。部屋には、ウグイス嬢が澄んだ声色でアナウンスをしている音だけが響いている。 「俺は」 突然、浜田が声を洩らした。 「野球はできなかったけど、西浦行って良かったよ」 まるで「今日は晴れだよ」とでも言うかのようなあっさりとした口調。けれどその口調とは裏腹に、飛び出した次の言葉は軽さを帯びていなかった。 「泉のおかげだと思ってるから」 泉は黙りこくったまま、微動だにしない。しかし、その言葉は泉の涙を誘うには十分だった。 「……泣くなって」 浜田は少し振り返って、それから幸せそうに笑った。 昔掴み損ねたモノを今になって手に入れる ‐‐‐ 三人称に挑戦してみた。 …書きにくい!←
2009.2.12
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(航友) 「あの、先輩」 「ん−?」 「なんでそんなキスばっか、するんスか…」 「したいから−」 「……。」 「友障くんも拒否んないスよね−」 「そ−ですけど……っん…」 「ね?」 「…も−」 酸素不足です (まあ、先輩不足なんで別に良いですけど) ‐‐‐ お粗末…orz
2009.2.10
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