大して怖くないかもしれないですが、ひとつ僕が大学生だった頃の話を 僕が大学に入って三年目の春休み、急に一人旅がしたくなったので自分の車に毛布や食料を積んで青森に向かったんです。 出発してから十数時間たち辺りは真っ暗。高速を抜けた後、山中の人気の無い道路で少し休もうと思い車を脇道の休憩所に停めました。煙草に火を付けようと思った瞬間 茂みの向こうから男性が現れました。彼は私をチラッと見た後すぐに側に停めてあった彼のものと思われる車に乗り込みました。 私はあまり気にせず自分の車に乗り、エンジンをかけ出発。山中をしばらく走った頃でしょうか、後ろから一台車が走って来ました。かなり飛ばしているようで距離はどんどん近くに とうとう後ろから来た車が私の車の横に並んだ時、驚きました。さっきの男性がこちらを凝視したまま運転しているんです。瞬きひとつせず、ずっと私を見て運転している。 少したって彼の車が少しスピードを下げた時、確かに私は見ました。彼はこっちを見て運転しているのではなく、ちゃんと前を見て運転していました。彼は前と横、両方に顔が付いていたんです。 あまりの恐怖にアクセルを目いっぱい踏みすぐに街へ下りました。 今思えばあれは幽霊とかじゃなく奇形の方か何かだったのかな?と。でも何故私の車の横にピッタリ付けてきたのか・・・。