あれは私が中学3年生の時の話。
もう10年以上前のことですが...。
私は後輩のYと電話で話をしていました。
私は家の電話。Yは線路沿いの公衆電話で。
(このころは携帯なんて無かったんですよね。)
あーだこーだとつまらない世間話をしているとき電話の向こうのYが突然叫びだしました。
「うわあーーーーーーー!!!」
私は何事かと思い
「どうした!Y!何があった!!」
と受話器に向かって大声で尋ねました。
「Sが!!Sが電車に轢かれた!!!」
この時、私と電話をしていたYの側ではもうひとりの後輩Sが、どこからか盗んできたバイクを乗り回していました。
そして踏切のない線路をそのバイクで渡ろうとしたSは、近づいていた電車に気づかず...。
Yはその時の状況を詳しく教えてくれました。
(聞きたくなかったけど..)
電車に跳ね飛ばされたSは、耳から後ろの部分、つまり後頭部が全部無くなっており、そこから脳が飛び出していて、顔は血の気がなく真っ白だったといいます。
しかし、驚いたことにそんな状態にも関わらずSは腕を地面につけ、グッと上体を持ち上げ起きあがろうとしたそうです。これは多分心霊現象とかではなくて、体が反射的に動いただけだと思います。案の定、一瞬起きあがりかけたSは力つきドサッと倒れてしまいました。
Yはそれ以降、しばらく焼き肉が食べられなくなったと言ってました。
ここまではただの洒落にならない体験談ですが
(ちなみにこの事故は新聞にも載りました)
恐怖体験はこの後、Sのお通夜にYや友人たちと行ったあとに起こりました。
私とY、そしてTの3人でSのお通夜に行ったのですが夏休みの最中でもあったので、YとTはそのまま私の家に泊まって帰ることになりました。
通常、お通夜やお葬式から帰ってくると、清めの塩を踏んで(地方によって違うかな?)家に入ります。
でないと、亡くなった人がついてくると言われてました。
私たちはまだ中学生だったと言うことと、バカバカしいと言う考えがあり、そんな行為は行わずに部屋に向かいました。