とりあえずは一安心・・・・・・。
そのはずでした・・・・・・。
1時間すれば両親が帰ってくる。
そう信じて一人、部屋で帰りを待ちわびていました。
両親が帰ってきたら一緒に2Fにあがれるようにすぐに寝れる準備をしておこう。
そう考えた私は、風呂に入る事にしたのです。
体を洗っていると「バタンッ!」と扉の閉まる音がしました。
1時間はたってないが帰ってきてくれたのだろうと思い、バスタオルを腰に巻き玄関へ向かいました。
しかし、鍵はかかったままで、もちろん帰ってきた形跡すらありません。
「気のせいか?」
私は再び風呂場へと向かいました。
途中だった体を洗い、髪の毛を洗い始めました。
洗い流そうと桶に湯を汲み、頭の上からそれをかける。
すると・・・・・。
私の頭から流れ落ちる湯の色が真っ赤に染まっているではないか!!
タイルに落ちたその液体はあきらかに水のそれではなく、ドロッとした血液そのもので、私は無我夢中に水道の水でそれを洗い落とした。
ふと気がつく。
顔や頭にもついているのではないか・・・・・。
私は風呂場にあった鏡を擦り曇りを取った。
そして恐る恐る顔を見る。
私の顔や頭には血液らしきものは付着していなかった・・・・・だが・・・・だが・・・・。
鏡にうつった私の背後には黒髪が長く胸のあたりまで垂れ下がった血だらけの女!
女が恨めしそうな視線で鏡越しに私を睨みつけてるのである!!
後ろを振り向く事もできずに硬直したまま私は目をつぶった。
再び目を開いた時、女は私の背後にはいなかった・・・・・。
シャワーの湯で全身をくまなく流し風呂を出ました。
興奮した為か喉に渇きを感じました。
冷蔵庫から飲み物を取り出し、コップを手にする・・・・・・。
注ごうとした時、私は気付いてしまったのです!!
コップの中に束になった黒髪が入っている事に・・・・・。