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禁断のイチジク

男は深い森を歩いている。 突然、少女が現れ、男に言う。 「『イチジク』を食べてはダメ。森から出られなくなる」 少女には片足が無い。 男は眩暈を覚える。

男は深い森を歩いている。 突然、みすぼらしい老婆が現れ、男に言う。 「『イチジク』を取ってはいけない。森から出られなくなる」 みすぼらしい老婆には片腕が無い。 男は眩暈を覚える。

男は深い森を歩いている。 突然、半裸の女が現れ、男に言う。 「『イチジク』を見てはいけない。森から出られなくなる」 半裸の女には両目が無い。 男は眩暈を覚える。

男は深い森を歩いている。 突然、男は気付く。 「そうか、俺はこの森で・・・」 もう、眩暈に襲われる事は無い。

次の日、男は森の奥で死体で発見される。 男の死体には舌が無かった。

部屋に巣くうもの

大学時代の俺の友人についての些細な出来事
俺とその友人Fは、東京の郊外にある冴えない3流大学の学生だった。 俺は実家からその大学へと2時間弱位かけて通っていたのだが、しょちゅう 大学の周りにある飲み屋なんかで飲み明かし、終電を逃して家に帰れずなん て事がよくあった。そんな時に頼りになっていたのが、大学の最寄り駅から、 3つとなりの駅にあった友人Fのオンボロアパートだった。
そしてこの日もいつもの様に0時近くまでFと共に飲み明かしてしまった俺 は、Fに向かって「スマン・・・今日も泊めてもらっていいかな?」と頭を 下げた。と、いつもならここでFは快くOKの返事をかえしてくれるのだが、 今日は何故かFの様子が冴えない。その上なんとなく俺にあまり泊まりに 来て欲しそうにないような感じを受ける。 そんなFの様子を見て俺は慌てて「あっ、迷惑ならいいよ。今夜は駅前の カプホかカラオケBOXに行くから・・・」と、さすがにこう毎回毎回じゃ Fにとっても悪いよな、つい10日前にも泊めてもらったばかりだしと、今夜 はFのアパートに泊まるのは止めにしようとした。 するとFは「いやちがう、そういう訳じゃないんだ・・・」と俺を引き止め、 「実は・・・」と、今F自身の身に起こっているという、不可解な出来事に ついて語りだした。


「実は、俺、最近あのアパートには戻ってないんだ・・・」
Fは真面目な顔で ボソリボソリと話しだした。 「え?!? それじゃ、お前今どこで寝てるんよ?」と、俺。 「ああ、A菜のとこに・・・」 「じゃあ、ずっと彼女と同棲生活を送っているってコトか。よかったな」と、俺 は話の展開がまだよく読めず、取り合えずFを茶化してみる。 するとFは「そんなお気楽なもんじゃねぇよ」と、マジに返して来た。そしてより いっそう深刻そうな表情になってこう打ち明けて来た。 「好きでA菜のところに入り浸っている訳じゃネェよ。・・・俺の部屋、その、な んて言うか・・・変なんだよ」 「変って・・・お化けでもでたのか?」 「・・・よく分からないんだけど、夜中に視線を感じたり、なにかを引っ掻く様な 音が俺の部屋中に響き渡ったりで、気味悪くって眠れなくなっちまったんだ」 「ふ?ん・・・よし、じゃあ今夜お前のアパートに行ってその原因を見つけようぜ。 どうせ何時かはアパートに戻らなきゃならないんだからさ」俺はこの頃は、まだあま りお化け幽霊等の類いはほとんど信じておらず、Fの話もなんか勘違いでもしたんだ ろうとあまり真面目に受けとっていなかった。そして酒も多少入っていた事もあって 気も大きくなっていた俺は、ためらうFを無理矢理連れて、その怪奇現象の起こった 部屋の様子を覗きに行ってみようという事になったのだった。


ギリギリで最終電車に飛び乗った俺たちがFのアパートに辿り着いた頃には時刻は すでに午前1時をまわっていた。 「なあ、おい、本当にヤバいんだぜ・・・」Fはアパートの前までやって来て、余計 にビビってしまってるようだった。 「な?に、2人で行けば怖くはないだろ」と、俺はFを励ましながらFの部屋のある2 階へと駆け上がって行った。 このアパートの2階には全部で3つの部屋が並んでおり、1番手前の部屋は年金生活の お婆さんが暮らしている部屋で、一番奥がFの使用している部屋となっていた。真ん 中の部屋には誰も住んでおらず、大家さんの物置として使われているという事だった。 Fの部屋の前までやって来ると、さすがにFも覚悟を決めたのか率先して部屋の扉を 開けようと鍵穴に鍵を差し込もうとしていた。するとその瞬間、突然部屋の中から 「ギチギチ」 と不快な音が聞こえて来たのだ。 「なぁ、なんだこの音?」俺はFに尋ねた。しかしFは俺の質問やこの気味の悪い音など まったく耳に入っていない様子で、さっさと自分の部屋の扉を開け始めた。


Fが部屋の扉を開けたと同時に生肉の腐った様なもの凄い悪臭が部屋の中から流れ出した。 俺はこの凄まじい悪臭や不気味な物音に怯んでしまい、この部屋に入るのに躊躇して しまったのだが、そんな俺とは逆に、Fはさっきまでの態度とは一変して積極的に部屋の中 へと入っていこうとしている。 「おい!! F!! どうしちゃったんだ?」俺はFの態度の豹変ぶりに異様なモノを感 じ、Fの肩を掴んで引き止めた。しかしFは俺の事などもうすでに眼中に入ってはいない 様で、俺の手を振り払いどんどんと部屋の中へと突き進んでいってしまった。 俺はこのままFを放っておく事も出来ず、仕方なくFの後を追って部屋の中へと恐る恐る 足を踏み入れていった。 部屋の中は電気が灯いていないせいで暗く、相変わらず悪臭が充満しており、窓なども すべて閉め切ってある為かとても蒸し暑かった。俺はこの暑さと悪臭で気分が悪くなり 今にも吐きそうな気分になっていたがそれをどうにか堪えていた。しかし部屋の隅に存 在していたソレを目にした瞬間、俺のガマンも限界を超え堪らずに嘔吐してしまった。 ブクブクと肥大化したまるで臓器のような真っ赤な躯を持つソレは、一見ホヤを思わせる がその大きさは全長2メートル以上はあろうかという程の大きさだった。そしてその臓器 の表面は細かい水泡のようなモノで1面ギッチリ覆われており、このブツブツ臓器が少し でも躯を動かすと「ギチギチ」という不快な音を部屋中に響かせていた。そんなブツブツ 臓器にFは抱きつき、「・・・ごめんね、ごめんね、ごめんね」と何度も何度も呟きつつ、 幸せそうな顔でブツブツ臓器の水泡に頬ずりしたり舌を這わせていた。ブツブツ臓器はFの 愛撫に身をよじりながらいつまでも「ギチギチギチギチギチ」と音を立て続けていた。
この一件以来、俺はFの部屋には1度も足を踏み入れてはいない。F自身は時々、大学に現 れては狂った様に体中を掻きむしっている姿を何人かに目撃されていたが、いつしかその 姿もまったく見かけなくなってしまった。 なんか書いていて思ったが非常に嘘っぽいな、この話・・・ 完

幽霊に会った

最近引っ越したアパートの隣人の事。 ここは学生や単身者がほとんどなので、引越しあいさつなどは特に無い。 (あいさつに行っても、生活時間がまちまちで会えない事が多いから)

自分が入居してしばらくすると、深夜隣から声がする事に気が付いた。 隣に住んでるんだから声がしてもおかしくないんだけど、ちょっと気になった。 H系かと期待していたがそうでもなく『なんなんだ、どうしてだ、やめてくれ』など。 毎日、毎日、繰り返される。

ある日朝の出かけに隣人と出くわした。 あいさつも兼ねて声を掛けてみた。 気弱そうだか人の良い感じ、聞くと近くの大学に通っているらしい。 一緒の駅を利用しているとの事だったので、その朝は雑談しながら行く事にした。 するとちょっと言いにくそうに彼は聞いてきた。 『引っ越してから部屋はどうですか?』 二階の角部屋で日当たりも環境もまぁまぁ、割と気に入ってるっと話すと 『いや・・・まぁ・・・そうなんですけど・・・』っとなんだかハッキリしない口調。 気にはなったが駅に着き、ホームが違うのでそこで別れた。

その晩も、その後もやはり深夜の声は続いた。

 

それからしばらくして、また朝一緒になったのでさり気なくその事を聞いてみる事にした。 自分『やぁ、この前はどうも。話途中で別れた感じで気になってたんだ』 しかし、彼はハッキリしない。 自分『最近調子はどう?そうそう、君は1人暮らし?それとも誰かルームメイトでも?』 彼の顔がこわばり『どうしてそう思うのですか?』っと聞いてきた。 自分『いや、夜中にさ話し声がね。だから』 すると、突然立止り彼は話始めた。 ようは幽霊がでるらしい。 夜中になると、寝ていようが起きていようが何者かが自分の部屋に現れると。 えぇー、ホントに?っとオドロキながらもちょっと信じられなかった。 彼は私の反応にちょっとガッカリの様子で、そのまま別れた。

そして、その夜事態は急変した。

 

相変わらずの夜中の声にしばらく耳を傾けていると『やめろー、やめてくれー、助けて、ぎゃぁぁぁぁぁ』 思わず布団から飛び起きた、いつもと違う、様子が違う。 そう思って彼の部屋に行こうと玄関まで急いだが、今朝の話を思い出して急に恐くなった。 そしてそのまま自分の布団に飛び込んで丸くなり、朝になるまで震えていた。 その後一切の物音はしなかった。

 

朝出かける時、彼の部屋の前を通ったが声を掛ける勇気がなかった。 でも何かあったら?いや何かあったのは確実だ、でも最悪の状況だったら、死んでるとか・・・ いろいろな思いが頭の中をグルグル回り、不安と恐怖で一杯でただただ駅までの道を進んでいた。 気が付くと、そこは駅前のアパートを紹介してくれた不動産屋の前だった。 私はとっさに飛び込み、昨晩の事を店主に話した。

店主は驚いていた。 私が入ってくるなりまくし立てるように話したせいか、それとも理解できない内容だったからか。 『とにかく落ち着きなさい、ほらお茶でも飲んで』 っと、冷たい麦茶を出してくれた。 『えっと住所はどこだっけ?名前は?今台帳で確認するからちょっと待ってて』 じりじりした、彼が死んでるかもしれない、生きているなら救急車を呼ばなければ、早く彼の部屋へ行かなければ。

なにやら書類を確認していると、急に店主は落ちつかなくなった。 そして私にも一緒にと言うと、急いでアパートまで向かった。

 

部屋の前に来ると、店主も一瞬ためらいながらドアをノックした。 返事は無い。 『おい、居るのか?居るなら出て来い!』反応は無い・・・ 私は彼が息絶えて倒れている姿を想像して寒気がした。 店主は鍵を開け、そしてゆっくりとドアを開いた。 『なぁーんだなんともないじゃないか!』その声に、私は一気に安堵した。 よかった生きてたんだ!何ともなかったんだ!そう思うと、早く彼の顔が見たかった。 『驚かすなよ!心配したぞ』そう言って部屋に飛び込むと

部屋はもぬけのカラだった・・・・

店主はまだ借りての付いてない部屋から深夜に声がすると聞いて、何者かが忍び込んでいると思ったらしい。 ワンルームの為、玄関から様子はすべて分かるのだか一応部屋の中を確認し、店主は安心していた。 『気のせいですよ、他の部屋か外の声でしょう』っと言ってさっさと帰っていった。

じゃぁ、あの声はなんだったんだ!?それより彼は誰なんだ!? 彼が幽霊に会ってたんじゃなくて、私が幽霊に会ったのか? もう訳が分からなかった、その時他の部屋のドアが開いた。 『おはよーございます』住人らしい男に声を掛けられた、しかし私は走って逃げた。 彼もまた幽霊かもしれないと思うと、恐怖でおかしくなりそうだったからだ。

私はすぐにそのアパートを引っ越した。

小ネタ

お坊さんから聞いた話です。 仏壇とか、法要などでお供えしますよね?故人の好きなものを、小さく盛って。 あれってなぜ小さく盛るかわかりますか? 実は、天国にいる故人には、お供えしたものは100倍の量になって届くんだそうです。 お酒が好きなら、お酒が100倍。メロンが好きなら、メロンが100コ(笑 「だから」 とお坊さんは続けました。
「一本の花でもたむけなさい。そして、小さくでもいい、手を合わせて偲びなさい。  向こうは、あたり一面の花畑と、あなたの愛に包まれたところになってるんだから・・・」

ハア?

学生の頃、夜部屋で寝てたら急に目が覚めて金縛りになった 変な気配がしたので目だけ動かして窓の方を見たら顔が沢山浮かんでこっち見てた なんか霊とかってどんなものかよくわかってなかった私は、そのとき心の中で 「宝くじが当たりますように」 ってその顔達にお願いしてみたら すべての顔がハァ!?って表情になって消えた
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