今、原発事故の影響で福島県産の農作物に関して、流通しているものでも健康に悪影響を与える可能性があるから買い控えると言う方がいらっしゃいます。

もちろん、最終的には自分自身で危ないと思ったら買わなければ良い話です。

しかし、色んなサイトのの災害関係の掲示板などをみていると、福島県産の農作物が危ないと主張されている一部の方の理論には疑問を持たざるを得ません。


【疑問@】
なぜ『福島県』でくくる?


ご存知のように福島県は全国で北海道、岩手県に次いで3番目に面積の広い県です。

もちろん原発の周囲には放射能を含んでしまった農作物もあるでしょう。こうした農作物は基準値を超えたら出荷停止は当然やむを得ません。

でも原発から離れた市町村で採れた農作物まで危険になるのですか?
原発からの直線距離で言えば、宮城県や茨城県の市町村より遠い市町村だって福島県にはたくさんありますよ?
もちろん、放射能は単純に同心円状に広がる訳ではなく、風向きや雨雲によって変わることも承知しています。

でも、どうして『福島県』でくくって一律危ないというのでしょうか?

本来安全なものを危険だとする噂、これが風評被害ですよね?


【疑問2】
食品関係では産地偽装が当たり前だから信用できない


これ、福島県産が危ないとする理由になってますか?

産地偽装が実際にどれほど行われているのか、僕は知りません。
でも、この産地偽装のことを理由に福島県産を買わないとする理由が僕にはわからない。

もし、産地偽装が大多数で行われているとするならば、福島県産を他の産地に偽装したものをどうやって見分けるのですか?どういった防衛策を取るのですか?農作物は一切買わないのですか?


放射能に対して不安になり、神経質になるのは誰もが同じです。好き好んで高濃度の放射能を含んでいるものを食べたいなどとは思いません。

自分自身で危ないから福島県産の農作物を買うのは控えようとするのは自己防衛ですから勝っ手です。でも、明確な根拠のない個人の判断基準を不特定多数の人が利用するサイトの掲示板などで、さも自分の考え方が正しいという書き方で書き込むことが風評被害をもたらすのです。

個人でどう考えるかは自由ですし、好きにすればいいと思います。

でも、上に挙げたように、根拠として疑問を持たざるを得ないようなものは、安全なものまで全て排除するということになるのです。これが『風評被害』です。

福島県は今、非常に厳しい現状に立たされています。

もう一度みなさんで考えてみてはいかがでしょうか?

その上でどう判断するのも自由です。

ただし、明確な根拠がないのであれば、それを他人に薦めたりするのは控えてください。

良識ある行動が増えますように…