ある屋敷の一夜。強い雨音や雷鳴が鳴り響く、嵐の夜だった。

数匹の黒猫が、屋敷を駆け回り、獲物を探していた。


そして、鼠を見つけた。

その時の猫の衝動に、『感情』など無関係であって。


一匹の猫はすぐに食らいつくと、鼠は力尽きた。 

 

「あっという間だった」

猫は言う。

「そんなもんさ」

と、もう一匹の猫は言う。


「人間は?」

「さあ。僕らと同じことしてるんじゃない」


扉の向こうから聞こえるのは、人間の声。

 

 

 


 

彼の名はロドルフ。

魔術協会の大幹部であり…違う顔も持っている。


横たわっている女性は、すでに意識がない。

「いつか、いつか僕は見つけるよ。本物をね…

そして、僕は全てを手に入れる…理想の世界のために」

男は雷鳴と共に、

狂ったように笑っていた。

 その日の月は赤く染まり、不吉な空をしていた。