ヒロトが身体の穴という穴から緑色の液体を垂れ流す話。先日日記でぼやいていた夢の内容をヒロトに体験させようという話。
グロい……?あとかなり短い。これに限った事じゃないけど、いつも携帯でぽちぽち打ってるので携帯から見るとそれなりに長く見えてもPCから見ると短いよね。
俺は道を歩く。何処までも続く道を。
いや、道というより、廊下なのかこれは。真っ白な床に真っ白な壁。等間隔に天井に取り付けられた蛍光灯の光が明るく照らしている。先は見えない。
そんな道を俺は歩く。何かを目指している訳でもない。それでも。
ぐちゃっ。
「?」
ふと、何かを踏んだ気がした。
恐々と足をあげるとカマキリが潰れていた。ぐちゃぐちゃになった身体の屑と体液が靴にへばりついている。……気持ち悪いし気分も悪い。そもそも何故こんな所にカマキリが……虫がいるのだろうか。
「……ま、いっか。早く洗い流したいなぁ」
俺はそう呟き、汚れを床にすりつけ早足でまた歩き出した。
「それにしても何処まで続くのかな、これ」
まだまだ先は見えない。
「何だかお腹空いてきたし、早く………けほっ、………?げほ、げぇっ、げほっごほっ!!」
突然前触れもなく、俺は咳き込んだ。別に俺は風邪でもないし体調も悪くない。
いくら咳き込んでも止まらない。息ができない。苦しい、苦しい!!
………ひとしきり落ち着くまで咳き込み、
口を押さえていた両手を離して俺は愕然とした。
「…な、何、これ、」
手には粘つく緑色の濁った液体がべったりと広がっていた。
………血?いや違う。良くある映画や漫画の宇宙人の血の色ならともかく、……そもそも俺は宇宙人じゃなくて人間だ。人間の血が緑なんて、聞いた事も見た事もない。
血じゃなかったら何なんだ。分からない。とにかく、俺の口から、体内から出たという事しか分からない。
「…な、何で………っう、ぷ……うげぇえええええ…っ!!?」
次いで俺は吐き気に襲われた。口からびちゃびちゃと床に滴り落ちるのは胃液と消化途中の食べ物……ではなく、先程咳き込んだ時に手に付着した、緑の液体だった。
水道の蛇口を捻ったように俺の口から溢れる得体の知れない物は止まることを知らない。涙目になりながら俺は吐く。吐き続ける。息が苦しくなってきてもまだ止まらない。しばらくして鼻からもあの液体が溢れてきた。
「〜〜〜〜っ!!!〜〜〜〜!!」
口も喉も液体でいっぱいで悲鳴をあげたくてもあげられない。悲鳴の代わりに、喉の奥がごぽごぽと音をたてる。
(誰か……助けて……苦しい……苦しいよ…………助けてぇ……!!!)
だんだん意識が薄れていく。床に倒れこんでも逆流する勢いは止まらない。
それだけでは無い。目や耳、身体のありとあらゆる穴から口と鼻からのと同じ緑色のそれが溢れ、滲み出てきている。
……粘着質なそれは、だんだんと自分の身体を覆っていくように見えた。
「〜〜〜〜っ!?」
(何で、何で何で何でっ!?何でだよ何で、俺がこんな、嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ苦しいよっっ!!!!!!助けて助けて助けて助けて助けて助けて助けて助けて助けて助けて助けて助けて助けて助けて助けて助けてたすけてたすけてたすけてたすけてたすけてたすけてたすけてたすけてたす け
「…………ロト、ヒロト!!!」
「……………っあ?………あれ、まも…る…?」
「どーしたんだよ、ヒロト。すっげーうなされてたぞ?大丈夫か?」
「……………夢…そっか、夢だったんだ……良かった…」
「??」
「うぅん、何でもないよ守!!!」
「…おう!!じゃあ練習に戻ろうぜ」
「うんっ!………けほっ」
「ん?ヒロト、風邪か?」
「…………!!な、何でもないよ、早く行こう守!」
めでたしめでたし?