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心の休息

ティファが店のジュークボックスに新しい曲を入れてくれるという。それも俺好みだと言い張るのだが、俺が悠長に音楽を聴いているのを見たことがあるのか?
俺自身、そんなことをしていた記憶がないのにな。
仕事で依頼されてディスクを入手したことは何度かあるが、個人的に入手した覚えはない。
とはいえ「興味ない」と一蹴するのもなんだったから「楽しみにしてる」と返した。
ティファには「興味ないな。って言われると思ったのに珍しい!」と驚かれたな。
俺も一応配慮したんだ。ティファの機嫌を損ねるとバレットに後から怒られるからな。



約束された時間に店に顔を出したらティファがにっこり笑って得意気に新曲を流してくれた。
カウンターで飲みながら流れてくる曲が最初は雑音と同じだったが、いつの間にか聴き入っていた。
確かに俺好みかもしれない…そう思った。
たまにはこういう時間をつくるのも悪くないな。
時に何かに怯え、感傷に浸り、どうしようもなく暗い感情に支配されて存在意義さえも見失いそうになるのは自分の心がまだ弱いせいだと思っているが、こうして何も考えずに過ごす時間が必要だったのかもしれない。

癒された…と言うのが妥当かもな。

久しぶり

現パロにつき閲覧注意

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曇天を見上げて思うこと

警備の依頼を受けた。俺にとっては都合がいい。特に性にあわない接待の依頼は内容を聞く前に疲弊する。
接待というと、コルネオを思い出す。あれは俺の黒歴史だ。だが仕方なかった。まさか俺が選ばれるだなんて思ってもみなかったし、ティファを助ける為に、あれが最善策だったと思ってる。
だからといって、どこから聞きつけてきたのか、そういう依頼が来るんだ。当然、全て断る。
誰が好き好んで……、…絶対にやらない。


この天候のせいか、精神面が不安定だ。仕事では平然を装っているが、それ以外では自室に篭って何も考えないように過ごしている。誰もが一人になりたい時ってあるだろ?
そんな俺を察したのか、ティファがハーブを持って来た。リラックス効果があるとかないとか…。水挿しにしてサイドテーブルに置いてくれたが…確かに香りはいいな。
これに癒されるかどうかは別として…。


人と関わる事が苦手であっても、関わりを完成に断ち切る事は出来ない。人を嫌いにはなれない。…裏切られても、傷付けられても…その時の激情は忘れてない。それでも、人を嫌いにはなれないんだ。
だから俺は戦い続ける。

心変わりは人の世の常

ほんの僅かな傷も積み重なれば大きな傷になる。
俺の中に巣食う細胞が再び暴れ出さないか、俺はその時正気を保てるのか…時々不安になる。
頭痛と共に改ざんされて行く記憶。それに伴い自分を見失っていく。果ては自我を失い抜け殻と化す。その恐怖が時々押し寄せてくる。

予兆はあった。でも、見ない振りをして来た。信頼出来る人間がいたからだ。
あの日…全てが変わった。全部失った。俺自身も失ったんだ。
あれから…どんなに一線引いても、自ら深入りしなくても、いつの間にか俺の周りに仲間がいた。
関係が崩れてしまえば他人なのにな…。

自我を失う恐怖より他人に戻ってしまう恐怖の方が嫌だと僅かでも、そう思ってしまう…。
大切なものが増えた証だと思っている。口に出して言えないけどな。
他人に振り回されるのが厄介だった。馴れ合いは嫌いだった。今は過去形に出来る気がする。

ジュークボックス

依頼を受けた主の店のジュークボックスから、聞き慣れた音楽が流れてきた。とても懐かしく感じたのは、それだけ時が流れたという事だろう。
音楽を聴くという趣味はないが、幼い頃、ティファが弾いていたのを覚えている。おぼつかない感じの…俺はそのピアノの音色を遠くから聴いていた。
ティファの周りにはいつも誰かがいて……彼女に認められたくてソルジャーを目指したんだ。




暫く感傷に浸っていたんだと思う。依頼主に声を掛けられて我に返った。…多分、気付かれてはいない。問題ない。
仕事は早々に終わらせて直帰すると決めている。
…セブンスヘブンのジュークボックスで改めて聴きたくなった。

今夜は少し、呑みたい気分だ。

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