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ぼちぼち、

夢豚が復活の準備を始めております。
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剣士小ネタ未完

※未成年の主張、同世界観



「ゆっきだぁ――!!」

辺り一面真っ白な雪に覆われたグラウンドに少女が一人。
雪よりも薄い銀色の髪を揺らして「ヤッホー!」などとはしゃぎながら女子生徒がグラウンドを走り回っている。

「ゾロー!何してんのさ早くこーい!」
「…ったく、うるせェなぁガキかよお前は!俺は寒ぃんだよっ」
「雪降ってる中、屋上で昼寝してた男がよく言うよ。私が見つけてなかったら今頃屋上で凍死体が発見されて大騒ぎになってましたぁ〜」
「うるせぇ!とどめとばかりに寝てる俺を雪ん中に埋めようとしたのはどこのどいつだコラ!!」
「さぁー?そんなの知らなーい」






.
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秒読みのあとに(煙)

きました、
来ましたきました来たよきたよきたよきたよどうしよう!!
壁にべたっと張り付いて、陰からそっとのぞき見た前方50メートルの位置。
あたしの愛してやまない愛しのスモーカーさんを発見です!きゃああっ!かっこいい!鍛練場からの帰りでしょうか、裸です!(上半身が!)
筋肉のついた引き締まった身体に思わずうっとり…、じんわり浮かんだ汗が、これまたいい味出してます。はぁ…
というか、右手に持った『正義』のジャケットを肩に担ぐ仕草がなんかヤバい。上腕二頭筋がしなる様が無駄にエロいです、大佐。
トレードマークの咥え煙草(二本)は健在のようですが、なんかそれもあたしの『恋する乙女フィルター』に掛かれば、立派な萌えアイテムといいますか、なんといいますか。もくもく、もくもく、さすがモクモクの実の能力者ですね。どんな敵も捕らえて離さない。あたしのハートも鷲づかみ!(きゃっ!)あぁ、素敵です大佐。
でも、そんな大佐もつい先日、やっかいな敵に遭遇したそうで…。なんでもあの道化のバギー、海賊艦隊のクリーク、さらにはあの恐ろしい魚人海賊団のアーロン一味まで倒したっていう噂の、賞金三千万の『麦わらのルフィ』。
その人がこのローグタウンに来た(らしいけど、あたしは出張中でいなかった)ときに、あの大佐が取り逃がしたって。あの『白猟』と恐れられるスモーカー大佐が!信じられない!
でも、そんなへまやらかしちゃうスモーカーさんも大好きです。なんていうか、ギャップ萌え?的な?とりあえずは、愛してるんです!
と、いう訳で。あたしはこれから彼の人にこの思いを伝えるべく、レッツアタックチャーンス!!
ちらりと前方確認。大佐までの距離、約10メートル。いつでも飛び出す準備はできてます。目指すは、あの厚い胸板。今日こそは、抱き着いてみせます。
大佐までの距離、

あと、6メートル…

5メートル…

4…

3…

2、

いち!!

『たァーいさァー!!!』

ボフッ!ゴロゴロゴロゴロッ…ガン!!

『ぎゃんっ!!』

「…お前」

目の前に火花が散りました。愛しいスモーカーさんの声に呼ばれた気がしたけど、今はそれどころじゃありません。床に強打した後頭部を抑えて、しばらく悶絶。痛すぎて声が出ません。
狙いはバッチリ、むしろ今までにないくらいパーフェクト。…だけど、厚い胸板に飛び込んだはずのあたしの身体は、そのまま大佐の身体を、すり抜けました。
涙目で見上げると、大佐が呆れたような目で、あたしを見下ろしています。

「毎度、毎度…」
「おれは自然系だっていつも言ってんだろ」
「馬鹿が」

あぁ…罵倒を残して去っていく、その後ろ姿も素敵です大佐。
本当、どうしようないあたし。どうしようか…




110330
***
発掘パートC
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甘くない。(剣士)


「糖分が足りない」
最近の口癖。
どうしようもなく苛々して、なんだか妙に落ち着かなくて。気がつけば、いつもそう口に出していた。甘いものが欲しい。だめだ、だめだ。あぁもう、本当にいらいらする。
こうなったら、何でもいいから口に入れてしまおう。
そう思って向かったのはナミのところ。困ったときの神頼み、じゃなかった、ナミ頼み。これ言ったら怒られそうだから、言わないけど。
あ、ナミ発見。
「ナミ」
「どうしたの」
「飴、ある?」
んー、と。聞けばナミがごそごそとショートパンツのポケットをまさぐる。その仕草がどことなく、アレだなと思うのはあたしの気のせいじゃ、ないはず。たぶん。
少しして、はい、と差し出されたナミの右手には小さな飴玉がひとつ。
ちょっと嬉しくて、思わずニヤけた。いかんいかん。
「ありがとう」

ちょうどナミが飴を持ってて助かった。これで糖分補給ができる、と。甲板のすみに腰をおろして、いそいそと包み紙を開く。
綺麗な色、透き通ったエメラルドグリーンの飴玉が、ころりと手の平に転がる。
何味だろう、わくわく。りんご味かな、それともマスカット?ドキドキしながら人差し指と親指でつまみ上げて、さっそくぱくっと口の中にほうり込んだ。
「…む」
なんてこった。
まさかの、ミント味。口の中がすーすーする。だめだ、騙された、ナミの馬鹿。聞かれたら恐いから口には出さないけど。
これじゃ意味がない。あたしは甘いものが欲しいのに。
この飴には糖分の『と』の字も入ってないじゃないか。
ガリッと口の中で飴玉をかみ砕く。がりがり、がりがり…。後味が最悪だけど仕方ない。
立ち上がって、船の上を歩きながら、キョロキョロと辺りを見回す。
甘いものが欲しい。何かないか、何か…
糖分を補給できるもの、この際なんでもいいから、何か…


「あ」


いいもの発見。
糖分じゃないけど、もう、この際あれでいいかもしれない。
というか、見てたらあれが一番いいものに見えてきた。糖分は補給できないけど、あれはきっと甘い気がする。
そんな風に思ってしまうんだから、我ながら、どうしようもない。
ゆっくりと、それに近づいていく。そして、

「ゾロ」

「あ?…っ!?」



振り向きざま、トレーニング中だった彼の唇を、奪ってやった。



110329
***
発掘パートB
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未成年の主張(剣士/学パロ)

カキィン、甲高い音が耳に届いた。
聞き慣れないその音に、そういえば今月から体育は野球だったということを頭の片隅で思い出せば、今の今まで惰眠を貪っていた私は、ゆっくりと閉じていた瞼を持ち上げた。
ミーン、ミーン、と。夏の暑さをさらに三割増にする煩い蝉たちの声が嫌に耳につく。屋外に設置された二階から一階に降りるための非常階段。私は今、その一番上の踊場で階段側に足を投げ出した状態で寝転がっている。
階段を下りればすぐに裏庭に出れる場所。角度的に直射日光も当たらないから金属製の階段はひんやりと気持ちいいし、普段から人通りが少ないここは、今が授業中とあってか、当然自分以外に人の姿はない。他の生徒は今頃必死に黒板とノートと睨めっこしているところだろう。

「(ヒナちゃんは好きだけど、数学はむり)」

あ、でも補習はいやかも。普段は優しいくせに補習となるとやたらと厳しくなる担任の姿を思い出して思わずため息が出る。
そもそも、こんな所で授業をサボっているなんて知れたら、担任だけじゃなく生活指導にまでとやかく言われてしまう。自分は校内分煙はじまってから喫煙室を離れられなくなったヘビースモーカーの癖に。(前に一年の男子生徒がそんな先生をケムリンって呼んでるのを見かけた)。
そんな人が教師で、ましてや生活指導って。一体どうなってるんだ、この学校。
というか、自分の美貌を武器にハンコック先輩が生徒会長になった時点で普通の高校生ライフはとっくに諦めてたけど。
むしろ入学当初から遅刻するわ無断欠席するわ授業サボるわ制服着崩すわで、世間一般に『不良』と呼ばれる枠に括られてる私が、いまさら普通の高校生ライフとか言えた義理でもないけど。そんなの求めてたら、今もこんなところにいないで真面目に授業に出てるっての…。
そこまで考えて、凝り固まった体をほぐすように大きく伸びをした。ついでに大きな欠伸も一つ。頭の後ろに回して枕代わりにしてた両手が少し痺れてる。
そうしてよいしょ、とやっと上半身を起こした。
「あれ?」
ふと。私は今現在、この場所に自分以外の存在があったことをこの時はじめて知った。
階段下の裏庭の一角に立つ人物。男子の夏服の白いワイシャツに、黒のズボン。影にいるせいでよくわからないけれど、特徴的な緑頭には見覚えがあった。
「(確か、隣のクラスの…)」
何度か廊下ですれ違った記憶はある。けど、名前までは知らない。剣道がやたら強いってことは、周りの女子が煩いくらい騒いでいたから覚えている。
そんな彼がこんな場所で、しかも授業中だというのに何をしているんだろう。
すっかり自分のことを棚に上げて、不思議に思いながら立ち上がった私はゆっくりと階段を下りていく。カン、カン、カン…と。小さく響く足音に気づいたのか、やっと動いた彼がこちらを振り返った。
視線同士がぶつかって、思わず止まる足。彼も無言で、あたしも無言。見つめ合ったまま、時間だけが過ぎていく。
しばらくそうして、これはこちらから何か声をかけたほうがいいのかと思い始めたとき、不意に目の前の彼が口を開いた。
「悪かったな」
「へ?」
突然の謝罪に、何が、と聞くまでもなく「起こしちまって」と言葉を続ける彼。暑さのせいか、寝起きのせいか、思考回路の鈍ってる私には全く意味がわからない。
「こいつらが、」とさらに彼が続けるものだから釣られるように視線をズラせば、思わず「うわっ」て声が出た。
気がつかなかったけれど、よく見れば彼の前には5・6人の男子生徒が倒れていた。…え、なにこの状況?
「こいつらが、あんまりしつこいんで、場所変える暇がなかったんだ」
「……はぁ…」
いや、はぁってなんだ自分。倒れてる彼らは見た目からして不良なんだろうけど、それでもいまいち状況が掴めない。
訳がわからずに呆然としていると、そのまま彼がスタスタと私の横を通り過ぎていった。
「…え、あ、ちょっと」
「そーいや、どうでもいいが」
「え?」
歩き出した彼を呼び止めようと反射的に右手を伸ばす。
すると、不意に振り返った彼の口からするりと言葉が飛び出してきた。
「中の黒いそれ、丸見えだったぜ」
そう言って彼が示すのは私の学校の規定より大分短くなったスカート。
となれば、中の黒いそれ、とは言わずもがな私の今現在身につけている下着のことな訳で。確かに今日は、この前買ったばかりのブラとセットの黒いショーツを身につけている、訳、だ、が。
女なんだから気をつけろ、とか。寝るときは足閉じとけ、とか。平然と告げられた数々の言葉の意味を理解する前に、じゃーなと片手を上げた彼はさっさとこの場から去っていく。
そしてようやく、私がその言葉の意味をすべて理解した頃には、とっくに彼の姿はあたしの視界からいなくなっていた。

「…ッ…な、なっ…!!」

カーッと一気に熱を増す体温。握った両手の拳がプルプルと震えている。
あいつの姿が完全に見えなくなってから数秒後。授業中の静かな校内に、怒りと羞恥に満ちたあたしの叫び声が、それはもう大きく響き渡った。





バカヤロー!と叫ばせて
(ふざけんなあの観葉植物頭ァっ!!)





110331
***
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