千年否長い刻を生きた白銀の鬼は何かに引き寄せられるかのように月夜を歩いていた。
唄が聞こえたのだ。唄は鬼だけに聞こえ鬼は声を探して歩いた
たどり着いたのは祠
そして後ろにある鎖についた護符。
鬼は少女に尋ねた
「娘、貴様はその唄に何を望む?」
「妾が望むのは外、外に出たい」
娘は鬼と同じく白銀の髪をした美しい少女だった
「望みはしかと受け取った。我は貴様の唄が欲しい
外に出してやる代わりに
身を我に捧げよ」
「外にいけるのならば妾は喜んで鬼、貴公に命…身を捧げようぞ」
娘は神に本来生贄に捧げられた少女
鬼は神に逆らった
娘も神の意に反した
世界は神が支配する仮想世界
鬼が娘に抱く想いは恋か否か
娘は鬼に魅入られた。
(千年月夜の鬼と篭之姫)
天使は堕ちたら堕天使になる
悪魔は堕ちるまで堕ちて
そして人は?
人は堕ちたらなにになるんだろう
外道?鬼?
死者でもなく何にでもない
堕ちてしまえば理解できるのかとふと思ってしまった自分はもう手遅れなのか
沼津にはまってしまったのか
それは誰も自分自身もわからない
(堕ちるとはそういうもの)