手紙


慶龍へ

慶龍と初めて出会ってもう一年以上が過ぎたんだな…
2人で遺していこうといっていた心のやりとり、DIARYを、俺は綴ることができていなかった。
俺は未だ自分の気持ちをありのままに出すこともできず、二人のやりとりが増えても、俺の気持ちの変化は何ものこせていなくて…それでも信じて書き続けてくれた慶龍の気持ちを裏切り続けてきた。
慶龍が苦しんでいることに応えることもできない俺は、壊すのが怖いからと言って距離をとった…
思えば自分が、できるときにばかり会って、抱きしめ支えると、言葉で繋ごうとして、都合の良いように進めていた。
自分の言葉に自信が無いと、黙りこんだりして、慶龍のことをたくさん苦しめ怖がらせていたな。そんな自分勝手なことばかりで振り回していた。

おはよう、おやすみの挨拶。いってきます、おかえりなさいさえも守れずに悲しい気持ちにさせていた…
そんな俺をずっと、ずっと、信じて待っていてくれたな…
俺が悩んだとき見失わないようにと、何度もかけてくれた慶龍の言葉もそばにあった。

出会ってから過ごしてきた時間

俺は、何ができただろう。
慶龍が大切に築き上げてきたあたたかさを、俺が全て壊してしまった。

冷めぬ夜に迷いこませたのは俺だったな…

俺が慶龍を傷つけた事実は変わらない、一生消えることの無い傷だ。
本当にすまなかった。
謝ってすむことでは無い…

こんな自分勝手で格好のわるい俺だけれど、慶龍と共に生きてゆきたいんだ
慶龍を傷つけ、信頼も無くした事実を受け止めて、そばにいる…
いさせて欲しい

たくさん傷つけてすまなかった。


「 慶龍、 」

今夜は月が綺麗だよ…

おやすみなさい



古賀 鎮也







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