Sweet Swimer

朝起きて

貴方の顔を一番に見たい



貴方の緑の歯ブラシと

私のオレンジの歯ブラシ

仲良く並ぶ姿を見て

微笑ましい光景を眺めていたい



まだ眠い、とばかり閉じた瞳と

少し伸びた顎の髭

しょうがない人ね、と笑いながら

撫でていたいの



それが、私の夢だから

例え叶わないと解っていたとしても

明るい

明る過ぎる

世界は何もかもを

明確にしすぎているんだ



機械は進化した

ヒトが言葉に出来ないことを

グラフに表せる



だけど、それがなんだ

表現出来ない事は

もどかしいかもしれない



だけど、何もかもを

微細な変化さえ

視覚化したって、

私達は結局

それを言葉には戻せない



世界は明るい

眩しい光に満ちている

それは闇に住まう者を

排斥するかのように



何一つ

見逃さないように

辺りを照らしているようにも

見えるだろう



何か、見つかったかい？

言葉にするもの以上に、

何か見つかったかい？



僕には

君が見つけた物が

大した物には見えないよ

人のアラ、秘密、隠し事

まるで重箱の隅をつつくように

楽しいかい？

僕にはえぐられる苦しみが

解るけれど



世界は何時だって明る過ぎる

隠しておいた方が良いもの、

隠さなければならないもの

世界には何時だって沢山あるのに

追われるように生きる毎日

私の感情は何処にある？



苦しくて

悲しくて

それでも毎日

機械のように

無機質に動き続ける



「私」が「私」である必要は

一体全体何処にある？

代わりはいくらでもいるの？



私で無くともいいんですか？

苦しくて

悲しくて

それでも一生懸命

頑張ってきたけれど

私の居場所は

此処にも在りませんか？

不安で不安で仕方ない

気もそぞろで集中できない

何もしないと不安で潰れそうで

やめて、やめてよ

涙のオートマティズム

ねぇ、どうすれば良いの？

気持ち、って、どうすれば

伝わるの？



苦しいよ

切ないよ

貴方に解る？

涙が出そうになるよ

全て言葉にして

貴方に向けて発したい



怒鳴って

がなって

叫んで

金切り声をあげて

今の気持ちを曝したいよ



でも、貴方は見向いてくれないでしょ

私に飽き飽きして

次の女の子を探すだけ

嫌だよ

貴方と言葉を交わせないだなんて



だから、黙っていい子にしてます

解って欲しい事だらけだけど、

お口にチャック

だから、こっち見てよ

私の事を考えて

私の事を、案じてよ…