「その自信は、どこから来るのよ?」
「宝探しが得意だって、さっき言ったでしょう。だから、あなたがどこにいても、必ず見つけます」
その目は優しくて温かくて、すごくまっすぐだったから。
この人は、私の小さくて狭い世界を壊すのではなく、守ってくれる人だと分かったから。
もう、意地を張らなくてもいいんだと分かったから。
私は、自分からも背中に腕を回してキュッと力を込めた。
「……探し出してくれて、ありがとう」
こうして、私も世界でたった一つの宝物を手に入れたのだった。
私に期待しちゃ駄目だよ。
だって。
考えて、考えて、考えすぎて、
3回転半回って足がもつれて転んだ先にあった石を渡すような子だもの。
……でもその石だって、誰かの特別になるかもしれない。誰かの特別なのかもしれない。
そうやって、君と出会った。
この調子なら、いつしかモヤモヤも消えてなくなるに違いない。そう思ったら、一気に気が楽になった。
考えても分からないのだから、考えることをやめてしまったほうが、かえって建設的ではないだろうか。
見た目から神経質そうだとよく言われるが、意外と僕は切り替えが早い。というより、物事にはあまり執着しない質だ。
それは切り替えではなく、切り捨てなのかもしれない。物においても人においても、のめり込むようなことはなかった。
だけど、その僕が君との友情だけは、なんとしても守り通したいと思っている。それだけ、君という存在は、僕にとっての特別だということだ。
あなたは、優しい人だと思う。
だからこそ。
今、私に向けられているあなたの優しさに甘えすぎないように気をつけよう。
梯子を登るのはすぐだが、梯子を外されるのもまた一瞬だ。