●あらすじ●
事故ですべての記憶をなくした博史(浅野さん)は、医学書にだけは興味をしめし、医学部に入学した。空白を埋めるように解剖実習にのめりこむ。失った恋人との記憶を取り戻しつつ、現実とは異なる、記憶を終えた世界を生き始める。





塚本監督作品はこれで四作目なのでまだまだひよっこファンですが、この作品でも塚本監督の世界観に酔いしれました。

あの世界観がたまらない。あの映像の撮り方もやっぱり良いなー…悪夢探偵でもそうだったけど、あの都市の青みがかった映像が好き。


表紙やあらすじからもっとグロくてホラーっぽい話なのかと思ったけど、グロいシーンや怖いシーンは殆どない(と言っても解剖のシーンは勿論それなりに映ってるけど)純愛がテーマの映画でした。


主人公博史が解剖を通して恋人涼子との時間に埋没していく姿が切ない。
全体的に切なくて重い雰囲気なんだけど、ラストのワンシーンは心がすっと軽くなるというか凄くジワリときました。


涼子役の方は女優さんではなくバレエダンサーの方みたいです。
映画の中でダンスシーンが出てくるんだけど、何故ダンスシーンなのかは私にはわからなかった(笑)けど作品の雰囲気と凄く合ってて、別に脱いでるわけでもないのに凄く官能的なシーンに見えた。

博史と同じ大学の女の子役の方もこれまた女優さんではなくモデルさんだったようで。綺麗な人だったなー。

浅野さんはいつもの自然すぎる演技でした。
浅野さんのその演技が、女性陣のちょっと拙い演技と上手く合ってて良かったと思いました。
ここでザ・演技の俳優を入れていたらきっと浮いちゃってたでしょうな。



とりあえずずっと見たかった塚本監督の1つが見れて私は幸せ!

全体的に難しいというか、感じるタイプ映画だったけど、私はこの作品の世界観が好きだ。
多分好き嫌いが別れる映画だろうなぁ。



次は六月の蛇あたりが見たいです。
本当は鉄男が見たいけどまだ勇気が出ない…怖いよ鉄男。