後ろの自分が指をさす
はやすぎて眩しすぎて
その傍で鈍間で何もしないまま小さく丸まっていた
自由と聡明さと技術への嫉妬と焦燥感
ドクドクと心臓の鼓動が早まって鳩尾あたりがぐるぐるとうねる。
この身体を動かしている「わたし」という存在が、魂と呼ばれるやつが時を置かずしてことあるごとに暴れまわっている。
今のままでいいのかと
過去に求めてたどり着いたこの場所でこれ以上なにが得られるというのだと
そうここはもう過去だ
後でも先でもなく今にしかわたしは生きられない
なのに勘違いするから息苦しいんだ
新しい知識を、新しい風を
もっと新しいものを
それを求めた先になにがあるのかわからない。ヴィジョンなんて頭の悪いわたしにはただの横文字でカタカナだ。
それでも暴れまわるものが、後ろの自分が、おまえは行かないのかとずっと指をさしている。貪欲に煮え滾る激情で身体がギシギシと軋むようだ。
わたしだけはわたしを裏切ることはできないから
さらに無様に、もっとはやく、削ぎ落としてカラカラに乾いていく
こんな姿きみにはみせたくないけれど、きっと何度も経験していることだろうね。
はやく、はやく
後ろの自分が指をさす2016/03/16 18:08comm@0
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