新国立競技場

首相「冷暖房はなくてもいいんじゃないか…」 土壇場で工費カット 驚く遠藤五輪相

新国立競技場整備計画再検討のための関係閣僚会議であいさつする安倍晋三首相(右端)=28日午前、首相官邸(斎藤良雄撮影)
新国立競技場整備計画再検討のための関係閣僚会議であいさつする安倍晋三首相(右端)=28日午前、首相官邸(斎藤良雄撮影)

 2651億円→1640億→1595億円→1550億円。新国立競技場の整備計画の見直しをめぐっては、ギリギリまで総工費の削減が図られた。遠藤利明五輪相は安倍晋三首相の指示で、お盆明けから2回も新計画案を作り直したという。首相自ら新計画の発表前日となる27日、冷暖房設備のカットを指示するなど土壇場まで調整を続けた結果、旧計画から1101億円もの削減が実現した。

 「冷暖房はなくてもいいんじゃないか…」

 首相は27日、官邸で新計画案を説明した遠藤氏にこう指摘した。これ以上ない削減を行ったと思っていた遠藤氏は驚いた。首相の手元には、冷暖房を盛り込み「総工費1595億円」などと書かれた新計画案のペーパーがあった。

 遠藤氏は7月21日、関係閣僚会議の議長に就任し、新計画作りに着手。お盆明けには、鋼鉄製「キールアーチ」の中止などを盛り込み、「総工費1640億円」との原案をまとめた。

 しかし首相は、平成25年末に財務省と文部科学省が合意した「総工費1625億円」より高額なことから、即座に再検討を指示。遠藤氏は外装などを簡素化する案を作り直し、27日に首相を再訪していたのだ。

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