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少年が、雪の降る光景を窓越しに眺めている。窓ガラスは冷たく、部屋の空気も冷え切っている。それなのに、少年は薄手のタオルケットを一枚羽織っただけの姿だ。身体を震わせながら、外を眺める。雪と共に天からの迎えが来るのが先か。それとも、悪魔が帰ってくるのが先か。 #twblnovel
2017-12-11 01:54:48枕元に飾られた靴下は、本命のプレゼントを入れるには小さすぎる。でも、“未だにサンタを信じる幼子”である僕は、謙虚にも“彼”が用意できるサイズのプレゼントで満足しているかのような態度を取るのだ。靴下のサイズは、27センチ。きっと“彼”の足に似合うだろう。 #twblnovel
2017-12-23 23:52:59『酸いも甘いも噛み分ける』という言葉に対して「甘酸っぱいのじゃダメなの?」と言ったことがある。世の中、甘酸っぱいことなんて全く無い。それどころか、甘いことだってほとんど無いし、酸っぱいこともあんまり無い。世の中は、塩っぱいことや苦いことで沢山だ。 #twnovel
2018-01-10 02:02:19通りゃんせ。通りゃんせ。 垣根の隙間に、フェンスの穴。 裏路地、三叉路、獣道。 誘われるままに通りゃんせ。 鳥居を潜り、辿り着いたは小さな祠。 『やあやあ、お主を待ち望んでいた』 狐の面を着けた男は、幼い男の子を覆い隠す。 行きはよいよい、もう帰れない。 #twblnovel
2018-01-16 02:03:26ダラダラと指先で弄んでたチョコレートは、ゆっくりと形を崩し、粘性のある雫がとろりと机の上に染みを作る。「勿体ないな」風呂場から現れた男は、その指を取って口元へと運んだ。パクリと咥えられた指先の、絡みついたチョコを舐め取る。その舌触りに、背筋がゾクリとした。 #twblnovel
2018-02-14 02:19:19バレンタインデーに沢山の女子からチョコを貰ってくる彼氏。その彼氏が貰ってきたチョコレートを楯に積み上げる。一番上のチョコの上に手を置いて、精神統一。「…っ、ダァオラッシャァァーッ!!!」そこに込められた女の子達の思いごと、瓦割りの如くチョコを叩き割った。 #twblnovel
2018-02-14 02:22:10惜しげも無く晒された褐色の裸体は、チョコレートのように滑らかだと褒め称えられた。主人は、そんな私の体を、自らの白濁で塗すことを好んだ。今日も、白濁に塗れた私の体を眺め、主人は満足げに頷く。私は、その白濁を指先で掬うと、それを口に含んだ。ああ、苦い。 #twblnovel
2018-02-14 02:34:59草むらに寝転んだ少年が、無防備にも腹部を晒している。きっとあの少年は、自分の腹部を見て興奮するような男が存在することを知らないのだろう。じっと見つめていたせいだろうか、少年と目が合った。少年はニヤリと笑うと、僕に見せつけるように、服の裾で顔の汗を拭った。 #twblnovel
2018-03-09 01:06:25朝遅くに起きたら、リビングの机の上に、綿で作られた柔らかい台座と、そこに置かれた小さな卵と、一通の手紙があった。「僕たちの子供です」家を先に出たのだろう恋人の、そんな手紙。何が起きているのかわからずにパニクった俺は、とりあえず卵を人肌で温めることにした。 #twblnovel
2018-04-05 00:40:49家に帰ると、恋人が卵を手に乗せて固まっていた。「…何してんの?」「…温めて、ます」そう言われて、朝、自分がしたことを思い出した。キッチンからコップを持ってきて、彼の手の上の卵を取り上げる。えっ、という困惑の視線を無視して、卵を割って中身をコップの中に入れた。 #twblnovel
2018-04-06 00:31:28